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第51話

 ひなたが、ふっと気づいたとき、月野が腕枕をしてくれていて、彼と目が合った。 「……月野さん、オレ、眠ってた?」  出てきた声はとても掠れていて、情交の激しさを物語っていた。 「ああ。ほとんど意識を失うようにして、眠っちゃったよ」  月野の声も同じように掠れていて、それがまた色っぽい。 「オレ、ムチャしちゃったな。とまらなくて。ごめんな、ひなた」 「そんなことないっ。オレ、とても幸せでたまらなかったもんっ」  そう言って、月野に抱きつこうと体を動かした瞬間、鋭い痛みが走った。 「いたっ……」 「大丈夫か!? ひなた」  月野が心配そうに言い、ひなたの体を支えてくれる。 「うん……。痛いけど、これは幸せな痛みだから大丈夫」 「とにかくあんまり動くな。出血はしていないから、明日には楽になると思う」 「えっ?」 「なに?」 「つ、月野さん、み、見たの?」 「え? ……ああ、まあ」  そう言われてみれば、いつの間にか体もきれいになっている。  ひなたが気を失っているあいだに、月野が体を拭ってくれ、そこの状態まで確かめられたのかと思うと、今更ながらひなたは恥ずかしくてなってくる。  ひなたが真っ赤になって恥ずかしがっているのを見て、月野が優しく微笑む。 「本当にかわいいな、ひなたは」  そして、月野はひなたの唇へそっとキスを贈ってくれた。

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