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第6話

近くのコンビニで金を降ろし、とりあえずホテルを探そうと街に行く。 空はもう真っ暗、夜だ。こんな時間に制服を着た高校生が歩いているのは危ないだろう。 周りは全員大人だ。すれ違う度もの珍しそうな顔でこちらを見る。 今は夏で、気温もまぁまぁ高い。なのに半袖の下にインナーを着ているせいで見られているのもある。 (流石に学校で痣を晒して歩くのは無理だからな……) 体育もほぼ見学して、必要な分だけ出ている。インナーは何を言われようと絶対に脱がなかった。 (それにしても……) 周りに沢山のホテルがあるが、どれもピンク色で蛍光色が眩しい。 男性と女性が腕を組みながら入っていく。 あれ、もしかして一人では入れないのだろうか。 「どうしようか……」 「ねぇ君、こんな所でどうしたの?」 突然、後ろから声をかけられ振り向く。そこにはスーツを着た30代の男性が。 優しそうとも思える笑みを浮かべ、俺に声をかけてくる。 「学生がこんな所に来ちゃいけないよ、家出かい?」 「家出というか……まぁ、とりあえずホテルを探していて……」 「そうかそうか、おじさんいいホテル知ってるよ。一緒に行かないか?」 「場所を教えてくれれば、大丈夫で………」 大丈夫です、と言おうとした時、男性の手が肩に置かれ、耳元で囁かれる。 「君さ、めちゃくちゃ好みなんだよね。もし良ければ援交しない? ちゃんとゴムは付けるからさ、2万でどう?」

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