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第10話
「お邪魔、します」
「どうぞ、といっても面白いものは無いけどね」
先生の家は白を基調としたシンプルな家。
あまり家具も置いてなくて、ソファとテーブルにテレビとさっぱりしていた。
座ってていいよ、と言われてぎこちなく床に座る。
先生は自室に入り、着替えてくるようだ。
先生の家に入れたのは凄く嬉しいけど今日起きた出来事が多すぎて全く整理できてない。
しかも先生の家に泊まっていけ、って事だろうか?
だとしたらほんとにバレたら問題になる。
(やっぱり、別のとこ行った方が……)
「ぷっ」
「?」
「別に床じゃなくてソファに座ってていいのに。
律儀だなぁ」
「あ…す、すいません」
先生の私服は黒のカットソーに灰色のズボンで部屋とは対照的な服装だった。
いつもとは違う格好に胸がときめいてしまい、女子高生かと心の中でツッコミを入れる。
「結構荷物入ってるでしょ、長めにホテル泊まるつもりだった?」
「っ、はい…」
「制服着たまんまだから多分受け入れてくれるとこ少なかっただろうし、変なとこ入ると舐められてぼったくりするとこもあるから気をつけて。
どうせなら、いつでも家においで」
「でも、そしたら先生が」
「いーのいーの、これは俺と月山君との秘密」
秘密。
先生と俺だけの、誰も知らない内緒の話。
先生から離れたくても、離れられない。
神様は、俺をどうしたいんだろう。
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