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第18話

家を出て、先生の後ろをついて行って学校へ向かう。 この時間にはまだ生徒が通らない時間なのかあまり人とすれ違わない。 「今日もいい天気だね〜、洗濯物干しといて良かった」 「そうですね」 空には雲が一つ二つとカラリと晴れている。太陽もそこまで高くないのに汗ばむぐらいには暑い。 青のインナーシャツを着てくれば良かったかなとちょっと思う。 「月山く……今更だな、月山って寒がり?」 「え……いや、そんなには」 「いつもインナーシャツ着てるし、暑くないの?」 「これくらいが、丁度いいです」 確かに汗をかく日は凄く脱ぎたい。 寒がりという訳じゃないし、皆と同じ体温だと思う。 半袖だって、普通に着たい。 けど、傷は絶えなく身体に刻まれるから。 「俺月山が半袖着てるとこ見たいな〜 絶対半袖着たら可愛いよ」 「っ、そのうち、着れたら……」 振り向いた先生の笑顔が眩しくて、反射的に下を向く。 しかも、可愛いって、言われた。 (いやいや、喜んでどうすんの…俺男なのに) 男が可愛いって、普通おかしいのに。 普通に言った先生も先生だけど、嬉しいとか思う俺もおかしい。 「ほんと!?楽しみだな〜」 汚れ無い、純粋な先生の笑顔にまた一つ胸が痛くなる。 嘘を吐く度に、心まで汚くなりそうで怖い。 全て汚くなったら、本当に俺でいられるのか。 先生、ごめんね。 嘘ばっかり吐いて、ごめんなさい。

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