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第26話

「ほ、ほんとに人参入れるの……?」 「入れますよ……何の為に買ったんですか」 「うぅ……お願いします」 「はいはい」 とりあえず人参はインゲンと豚肉で巻いて焼いたものにしよう。 あとほうれん草のお浸しに涼しく素麺にすることにした。 段々食べれる様になったら大きく切ったサイズでシチューとかにしてもいいかも。 (って、俺は栄養考える奥さんか) 確かに栄養は考えなきゃいけないし先生が好きな料理は作りたいけど。 自分で考えといて凄く恥ずかしい。 「お、おおぅ」 「最低二本は食べてくださいね」 「「いただきます」」 先生は豚肉巻きをじっ、と見つめ、ひと口口に含む。 目を瞑ってもぐもぐと咀嚼をし、ぱぁっと目を輝かせる。 「美味しい……」 「これなら食べれそうですか?」 「思ったより全然、いける。美味しい」 「……良かった」 結局四本も食べて、素麺もしっかり食べていた。 美味しいって言ってもらえるのが作る身と手しては凄く嬉しい。 「ぷは〜ご馳走様っ」 「お粗末様でした」 「普通に人参たべれたのに感動してる……これならセロリもいける!?」 「セロリなら生で食べるのが美味しいですよ」 「………ちょっと考える」 「……くすっ」 今度先生の好きな料理に細かく刻んで入れてみようかな。 そしたら食べられるかもしれない。 また、美味しいって言ってもらいたいし。

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