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第27話

先に風呂に入り、先生が風呂に入っている間暇になった。 明日の授業の予習はもうしてあるし、特にやる事がない。 ソファに体育座りをして、何気なくテレビをつけてみた。 ついた画面は、恐怖体験などのホラー番組が映った。 「っ……」 テレビなんてあまり見ないから、こういうホラー系にも慣れてない。 有名人が幽霊の出る場所へと向かうという趣旨のもので、怖さが伝わってくる。 チャンネルを変えようとするも、釘付けになってしまった。 その時、ガチャリと音がして。 「あれ、何見てんの〜?」 「あ、先生」 「うわホラー番組か〜最近テレビ見てなかったんだよな」 「あ、あの先生……」 チャンネル変えてもいいですか、と聞こうとした時、先生は横に座った。 「俺こういうホラー系割とすきなんだよね〜」 (………怖くなったら目を瞑ろう) 多分、先生が隣にいるから大丈夫だろう。 そんな安心をして、また画面と向き合う。 でも、そんな安心は無意味だった。 これから出てくる恐怖に、俺はまだ気づけなかった。

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