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第33話
「………」
「…………」
テレビを見てる時、先生は俺の横に座る。
けど、その距離は割と近くて。
俺は体育座りをしてソファに座って、先生はリラックスして俺の隣に座る。
五センチあるかないか、手なんて伸ばしたらすぐ届いちゃう距離。
チラッ、と先生の方を見てみる。
端正な顔立ちをしていて絵画にいそう。手入れをしていないのにすべすべとした肌は触れてみたくなる。
熱視線を送りすぎたのか、パチっと先生と目が合ってしまった。
慌てて目線を外すも、先生は更に近づいてきて俺の頭を撫でた。
「どうした?俺の顔に何かついてた?」
「い、いえ」
「なんで目逸らすんだよ〜こっち見てくれよ」
「い、今は駄目です」
こんな近距離で目を合わせてしまったら、きっと顔の赤みを抑えられない。
「………ひゃっ!?」
「おっ」
先生が、俺の耳に触れた。
掠める程度だったけど、過敏になった神経には充分の刺激だった。
とっさの反応で先生の方を見てしまい、また目が合ってしまう。
先生もこの反応には驚いたようで、ちょっとびっくりしている。
でも、にこやかな表情を浮かべ、優しい声でこっち向いた、って嬉しそうにした。
まるで魔法がかかったみたいに心臓がまた鼓動の速度をあげる。
汗がぶわっと出てきて隠しようのない状態になってしまう。
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