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第35話
「ちょっ、先生……待って、待っ」
「ごめんね、先に謝っておく」
ソファに押し倒され、危険信号は更に鳴り響く。
いつも以上に触れられ、身体がおかしくなりそうだ。
覆いかぶさられ、逆光で目を細める。
俺を見つめる先生はいつもより男らしく、いやらしい。
「必要以上に触れてごめん。キスして、ごめん」
「せんせ、」
「本当に嫌なら俺を突き放して。じゃないと月山に何をするか分からない」
「………っ」
(その言い方は、ずるい)
先生が好きなのに、先生を拒める訳がない。
好きな人に触れられて、嬉しくない訳がない。
ずっと、片想いだけで終わらそうと思ってたから。
これ以上触れられてしまったら、いままで隠してた想いが溢れ出してしまいそうになる。
「月山…?」
「………脱がす、のは……駄目です……」
せめて、傷を隠して。
醜いところは、先生の目に触れさせないように。
「っ………」
今、先生の目にはどんな顔をした俺が映っているのだろうか。
真っ赤に染まっているだろうか。ぐしゃぐしゃな顔になっているだろうか。
覆いたくなる衝動に駆られ、身をよじる。
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