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第38話

「んぁ……は、はぁっ………ふ、ぁ」 「ごめん、苦しかった?」 やっと唇を解放され、口から空気を吸い込む。舌先と舌先を結ぶ銀色の細い糸がちらりと見え、扇情的に感じた。 「ら、いじょぶです……」 「はは、呂律回ってないよ……、ねぇ、この間のキスって、初めてだった?」 「っ、はい」 「じゃあ、俺が初めて?」 俺の唾液の零れた口端を拭いながら、瞳を覗き込み聞く。 先生が、初めて。好きになったのも、キスをするのも、こんな事をするのも、全部。 先生以外にはあげたくない、自分の初めてを奪われて喜ぶ自分がいる。 「……はい」 「……そっかぁ、月山の初めて、貰っちゃったんだ」 そう言って俺を抱きしめると、首に擦りついた。 嬉しそうな声で貰っちゃっただなんて言われて、顔が赤くなる。 (なんだか、可愛い人だなぁ) そう思った、その時。 「あれ………月山、勃ってる?」 「へ……」 先生にそう言われ、頭にはてなが浮かぶ。 勃ってる?え、何が? 俺を抱きしめながら起き上がると、膝の上に乗せた。 少しばかり先生を見下ろす体勢にになって戸惑うも、それよりも先に自分の身体の異変に今気づいた。 ズボンが少しだけ盛り上がり、テントを張っている。 自分の性器が上を向いてる事に、今気づいてしまった。

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