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第42話

教え子に手を出してしまった。 本当はもっと抵抗されると思ってた。そう、信じてた。 けど実際には、ほんの少し期待する様な、じりじりと焦がされる様な甘い視線を送られてしまった。 これは単なる言い訳に過ぎない。 自分を正当化しようとする、汚い大人の言い訳。 でも、それ以上に。 月山はあまりも白く、汚れのないまさに白百合の様な 純粋な子だった。 保険の授業でしか知らない知識、した事も無い性事情。 何もかもを汚いと思える程に、その心は綺麗だったのだ。 俺は曖昧に、まだ分からない心で触れたのを後悔した。 だから俺は、この気持ちを理解しなくてはいけない。 確証されたものでは無いから。 今までとは違う、この胸の温かさを。 手放したくない。 「多分じゃ駄目なんだろうなぁ………」 「………すぅー…………」 隣で安らかに眠る、汚れない少年。 伝えたいけれども、もし伝えたら? 君が受け入れてくれるという確証は? まだ、まだ。 君はまだ若い。だからこそ、今ある景色がまだこの先あるとも限らない。 だからこそ、この言葉は慎重に。 君がもっと、心を開いてくれた時に。

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