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第43話
朝起きたら、先生はいつも通りで。
接する態度は変わらないけど、触れる回数はまた少し増えて。
俺はいつまで、ここに居ていいんだろう。
先生はどこかに行かれるぐらいならここにいろと言ってくれた。
でも、いつかは離れなきゃならない。
いつ噂がたって、先生が責任を負うようになってしまったら俺はどうしたらいい。
先生のせいじゃないのに。俺が何も伝えられない、臆病だからなのに。
痣は少しずつ薄れてきてるのもあれば、色濃く残る痣もある。
早く、治ればいいのに。
「月山?」
「っ、はい」
「大丈夫か?気が遠くに行ってたけど」
「いえ……ちょっとした考え事です」
そう、ちょっとした考え事。
先生は何も気にしなくていい。
ただ、平凡な日常を送ってほしい。
俺の願いは、それだけ。
でも、その願いは
簡単にも潰されそうになるなんて思いもしなかった。
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