46 / 96
第46話
会議が終わったあとスマホを見ると、一通のメールが来ていた。
月山からだ。
何かあったのかと思いつつ開くと、一言。
『さようなら』
(さようならって………)
俺は急いで学校を出て、家まで走った。まだ夏だというのに暑いどころか寒い。
マンションにつき、自分の部屋の明かりを見る。
だけど、明かりはついていなかった。
急いで返信を送るも、一向に返信が来る気配がない。
電源を切っているのだろうか。
さようならって事は、あの家に戻ったのだろうか?
荷物を全部置いて?
それとも、御両親にバレたのだろうか。
だとしたら、既にもう電話なり訪問が来ているはず。
「月山…………」
また一人に戻った空間は、なんだか冷たく感じた。
「おはようございます」
「おはようございます、黒木先生今日は早いですね」
結局昨日は月山から返信が来ることは無かった。
隣にあった温もりが消え、なかなか寝つけず朝も家にいるのが億劫で早めに出てしまった。
「そういえば、月山君一週間前お休みするそうですよ」
「え……」
「何があったんでしょうね〜、今朝連絡が来て『一週間お休みさせていただきます』って」
「っ、それ、御両親のどちらが連絡を」
「男性の声だったのでお父さんの方だと……黒木先生、どうかされました?」
「、いえ……父子家庭だと、苦労する事が多いのだろうと思って」
月山、今お前は何をしているんだ?
連絡も無しに消えないでくれよ。
ともだちにシェアしよう!