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第47話

「ただいま〜……」 二日程たった今でも、誰もいない空間にそう呟いてみる。 もしかしたら、返事が帰ってくるかも。あの声が聞けるかもって、思ってしまう。 でも、そんな事は無くて。 買ってきたコンビニ弁当を一人食べる。今まで美味しく感じていた御飯も栄養を取るだけの行為に感じた。 また、戻っただけ。 普通の日常に戻っただけなんだ。 「………はぁ」 いや、もう普通じゃないのか。 月山がいた日常が、〝普通〟になっていたんだ。 『先生』 『あの、先生』 『せん、せ………っ』 とっくに答えなんて出ていただろうに。 どう思ってるかなんて、自分でも気づいてるだろう。 それを認めなかったのは、何かに怯えていたから。 あの子の限りある未来を、俺の手で取り上げたく無かったから。 いつか離れるというのを、気づきたくなかったから。 「……情けないな、俺」 居なくなってから気づくなんて、教師としても大人としても最低だ。

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