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第71話
何週間か経ち、骨に入ったヒビも治り痣もまぁまぁ治った。
精神的にも安定したと先生に言われ、今日退院する事になった。
「ありがとうございました」
「お大事にね」
先生に御礼を行って、先生と家を向かう。自分の服などを取りに行くためだ。
できればあまり行きたくないのだが、自分で言った事なのだからしょうがない。
「大丈夫?無理なら俺が買ってあげるけど…」
「大丈夫です。あまりお金に負担はかけたくないし、着慣れたものの方が良いので」
そこまでして先生に迷惑をかけるのは気が進まない。
「もう………これからは一緒に過ごすんだから、気にしなくていいんだよ?
敬語だってとってもいいんだから」
「敬語は無理です!先生にだって迷惑かけるのは…………」
「その先生って言うのもね、外で言うと俺犯罪者みたいになるからさ……
名前で呼んで?」
「………」
それだけでも凄く難関なのにいきなりだなんてキツすぎる。
えー……。
「えーと…」
「ほらほら」
「っ、く、黒木、さん………?」
「………」
上を見上げながら言葉にしたら、先生が固まった。
え、俺待ってなんか変な事言った?
「上目遣いは駄目だよぉ………」
「?」
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