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第75話
「ただいま」
「えと、お邪魔します……?」
「何回も来てるんだし、もうただいまでいいでしょ」
「じゃあ、ただいま…」
「うん、おかえり」
また、この家に戻ってきたんだ。
これからまた先生と一緒に過ごせるんだ。あ、黒木さんか。
人の名前自体そんなに呼ぶ事がないので落ち着かないな。
「今日は何が食べたい?俺が作るよ!」
「先生、料理出来たんですね」
「なっ、クックパッドみればででで出来るから!」
「じゃあ、唐揚げが食べたいです」
黒木さんはちょっと眉を寄せてぐぬぬ、と唸っていたがこれも綺月の為!とやる気を出した。
まぁ塩麹につけといて数時間待ってから衣つけてあげるだけだから出来るはず。
黒木さんの手料理かぁ……男飯って感じのが出来そう。
「あ、綺月」
「はい」
「ちょっと、こっち来て?」
「?」
ソファに座るよう指示され、黒木さんと向かい合うように座る。
さっきまでとは違って、真剣な表情に身体が強ばる。
「言うの、遅かったし先に手を出したのも悪かった。
だけど、言わなきゃ伝わらないから」
「………」
「綺月
生徒としてじゃなく、一人の男子として
貴方が好きです」
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