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第78話
「初めて綺月を見た時、あんなに綺麗な子見た事ないと思った。
どこか悲しそうで、間違えたら壊しちゃいそうな感じがして。
助けた時も、触ってみると細くて」
「!覚えてたんですか」
「当たり前でしょ、初めて触れたんだから。
びっくりするほど細かったし、一瞬女子かと思ったよ」
「……それは嬉しくないです」
先生も覚えてたなんて、俺だけかと思ってた。
俺はあの時先生を好きになったけど、先生は俺の事をいつ好きになったんだ?
「あんまり人とも関わるとこ見てないし、かといって教師に媚びてるのも見なくてなんか興味湧いたよね。
実際は凄く怯えるし、めちゃくちゃ遠慮するし。
なんか小動物っぽかった」
「小動物……」
「でも、段々俺に気許してるとことか、初心なことが可愛くて。
最初は守りたいなって思ってた。でもキスしたいとか、もっと顔を赤くさせたい、めちゃくちゃにしてやりたいとか考えるようになった。
生徒に対してこんな事思ったことないし、思うのは綺月だけだよ」
「………っ」
「ねぇ、綺月。
綺月は、俺の事好き?」
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