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第79話

好き。凄く、とても、言葉に表せないぐらいに好き、大好き。 手を握りたい、抱きしめ合いたい、そんな事を思うくらいに大好き。 でも俺はまだ口を開けない。先生が好きって言ってくれてるのに、言えない。 だって世間からみたら教師と生徒で、関係なんて出来てバレたら引き離されるかもしれなくて。 そう考えると怖くて、言えない。 頭の中には、半分これは先生の勘違いだって思ってブレーキをかけてる。 「綺月」 「っ」 頭の中でごちゃごちゃ考えていたら、顔を包まれ上を向かされる。 目を合わせたら全てを見透かされてしまいそうで背けようとしても遮られてしまう。 「周りの目とか気にしないで、俺は綺月の気持ちが知りたい。 それに、俺は綺月から離れないから」 (………あぁ) やっぱり。 先生は、俺の気持ちを知ってる。 「っ、俺、めんどくさい奴ですよ……」 「綺月なら我儘言われたい」 「身体だって、痣だらけだし……っ」 「そんなの気にしない」 「先生よりも、好きの期間長くて……っ、ずっとずっと、重たい………」 「それに見合うぐらい、それ以上の愛をあげる。 いーっぱい、もういらないっていうぐらい」 何も否定しなくて、全部を受け入れてくれて 重たい重たい、愛の涙すら吸われて やっと口にした言葉は、涙腺を一気に崩壊させてしまった。 「っ、俺………俺は、先生が……黒木さんがっ、好きです…………っ!」

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