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第148話*
「今日は悪魔ちゃんなのーん! ♪エロイーノハルカチャン、エロイーノハルカチャン、さあ、ベッドデ、ベッドデ、あいしてるって、とーなえっよう!♪」
遥は黒のベビードールをまとって、寝室へ飛び込んできた。
「見て、見てーん!」
お姫様がドレス姿を披露するように、その場でくるりと一周回ってから、きゅっとお尻を稜而へ突き出し、ベビードールのフリルの裾を持ち上げると、TバックショーツのTの交点から、矢印型のリボンが出てくる。
パジャマ姿の稜而は少し長い前髪をさらりと揺らし、目を弓形に細めて、両手を広げた。
「可愛い悪魔だ。早くこっちへ来て、遥!」
「はいなのーん!」
遥は勢いよく、その腕の中へ飛び込んだ。マットレスが軋んで、二人の身体が軽く揺れる。
「昼間の働き者なユニフォーム姿も頼もしくてよかったけど、こうやって俺のためだけに着てくれるセクシーな下着姿も大好き」
稜而は薄く黒い布地に透ける、遥の肌を全部見たいように見て、さらに遥の耳に口を押し当て囁いた。
「もう乳首が尖ってるよ? 自分で選んだ下着なのに興奮してるの?」
遥は俯いて小さく肩を揺する。
「遥、可愛い。耳が熱くなった。……ねぇ、乳首触っていい? いいよね?」
稜而の囁きに遥は頷き、稜而は遥の肩を抱き、耳にキスをしながら、透ける布越しに遥の胸の粒を人差し指で引っ掻いた。
「んっ!」
遥は身体を震わせ、目を閉じて顎を上げる。
「気持ちいい? 乳首がコリコリしてる。たくさん触ってあげるね」
稜而は優しく微笑みかけるくせに、乳首への愛撫は執拗だった。
「あっ、ン……、ンンっ、稜而……っ」
遥の身体はひくん、ひくんと震え、そのうちに腰が揺らめき始める。
「擦りつけたくなってきた? いいよ、俺に擦りつけて」
遥は稜而と向かい合い、稜而の腰を挟むように脚を開くと、黒いショーツの中の硬さを、稜而のパジャマの内側にある硬さに擦りつける。
「ピンク色の先っぽが透けて見えてる。もっと気持ちよくなろうか」
稜而は傍らに置いていたローションを指先に絞り出すと、透ける布の上から、遥の剥き出しになった先端をくるくると撫でた。
「あーーーっ!!!」
遥は声を上げ、腰を震わせる。
「気持ちいいよね、これ。たくさん感じて。俺だけしか知らない、遥のいやらしい顔をたくさん見せて」
バラが咲くように赤くなった頬へ何度もキスをしながら、稜而はぬるついた手で、布越しに遥の興奮を撫で回す。
稜而は同時に小さく固い蕾のような乳首にも布越しに吸いつき、舌先で転がすようになぶって、遥は全身が痺れるような快感に、鼻にかかった声を絶え間なく上げ続けた。
「ああん、稜而ぃ。稜而、りょうじ……。気持ちいい……。いっぱい、いっぱい、動いちゃうのん……」
稜而の口に胸を突き出し、手には擦りつける動きを繰り返して、遥は乳首とペニスに与えられる快楽を素直に楽しんで身体を揺らした。
「あっ、あっ、あっ……。稜而っ、稜而っ!」
快楽を楽しんでいた声が、切羽詰まったような声に変化した。稜而は微笑み、遥の頬へキスをする。
「いきたくなってきたかな。いいよ、俺の手に出して」
透けるショーツを押し下げ、遥の興奮をじかに掴んで、高みへ誘う。
「ひゃっ! あっ、あっ、出ちゃうのんっ! 稜而っ、稜而っ!」
全身を強ばらせ、恍惚としながら身体を震わせる。身体が震えるたびに、白濁が稜而の手のひらに放たれた。
「もう一度、気持ちよくなろう」
遥の目の焦点が定まらないうちに、稜而は再び遥の雄蕊を手に包む。
「え? え? ひゃあっ! や、やーん! 降参しますなのん! 拙者、かたじけないのんっ! あーん、むずむずするのーんっ」
「少しだけ我慢。ね?」
「あ、やあっ、そんなの無理っ! ねぇ、稜而ぃ! 許してぇ! お願いしますなのーん!」
足をばたつかせても、稜而は遥のドレンチェリー色の唇を自分の唇で塞ぎ、舌を絡めとって、声を吸い上げてしまう。
稜而は手のひらのぬめりを遥の敏感になっている先端に塗りつけ、撫で回し、容赦なく責め立てて、遥は悲鳴まで稜而に吸われながら悶絶した。
「んっ、んっ、んんんっ。……はあーんっ!」
口を離して喘いだときには、稜而のパジャマに、ぱしゃりと海水のような液体が掛かった。
「はあっ、はあっ。……やっ、やぁーん。やーんなのーん……」
「ごめんね」
稜而は爽やかに笑って、遥を胸に抱いた。遥は力なく稜而の胸にもたれて、ゆっくり呼吸を整える。
しばらくの間、遥は目を閉じて呼吸に専念していたが、薄く目を開けると、指先を稜而の胸元に這わせ、パジャマのボタンを一つずつ外していった。
「稜而も気持ちよくなるのん」
遥は唇をぺろりと舐めて、若草色の目を細めた。
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