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第177話*
葛まんじゅうのように柔らかく透明でぷるぷるしたオナホールを手に乗せて、遥はそっと人差し指を差し入れてみた。
「ふふっ。細かいひだがいっぱいでしょりしょりしてるのん。こんなのが擦れたらヤバいんだわー」
「奥はどうなってる?」
稜而は性具で遊ぶ遥の姿に目を細め、バラ色の頬にキスをする。
「奥はね……あーん、突き当たりがコリコリのぷるんぷるん。先っぽが当たったらきっと気持ちいいのん」
「遥、先に使ってみる?」
肩に手を回しながら言われて、遥は指先についたお湯を稜而の頬にぴんっと弾いた。
「ダメなのーん。稜而があんあん言いながら使うのよ。遥ちゃんだけじゃ不公平、不平等! 稜而にもちゃんと一人でいってもらいますのん。お手伝いだけはしてあげるんだわ」
遥は稜而をベッドに寝かせると、その隣に座って温まったオナホールに温まったローションを流し込む。さらにむにゅむにゅと揉んで全体にローションを行き渡らせた。
「♪これっくらいの! オナっホールにっ! ローション、ローション、ちょいとつめて! ひだーのあいだも、いきわたらせて、にんじんさん! まつたけさん! ごぼうさん! すじーのういたりょーじ♪ あったかとろとろオナホールのできあがりなのん!」
遥は稜而の足の間に座ると、まだ柔らかさの残る雄蕊にキスをして、口に含み舌を這わせる。熱くぬめる口内で稜而の質量は瞬く間に増えて、粘膜を通して硬さが伝わってきた。
「ああ、気持ちいい……このまま続けて」
稜而が遥の髪を撫でながらねだると、遥はぷはっと口を外した。
「ダメよぅ! 一人であーんってなれるかチェックなのん! 一人でできなかったら留学なんてさせないんだわ」
「試験だと思うと緊張するな」
稜而は苦笑したが、遥は自分の唇をぺろりと舐め、稜而の足の間に腹這いになると、柔らかなシリコンを握り潰すようにして空気を抜きながら稜而の切っ先へ狭い入口をあてがって、一気に根元まで引き下げた。
「うわっ! 待って、そんなに締めないで! もっとゆっくり……っ、くはっ! ヤバイっ!」
稜而は身体を跳ね上げ、遥にストップと手を伸ばした。
「ふふーん。さすが店長のオススメなんだわー! なお、留学試験に合格したかったら五分間は頑張ってくださいませなのん。留学先で簡単に性欲に負けて浮気したら困りますのよ」
「五分っ?!」
遥はサイドボードに置いてあった稜而の腕時計を手に、数センチの至近距離で観察しながらオナホールを上下させる。休みを与えることなく刺激を与え続け、稜而は肘をついて上体を支えながら歯を食いしばり、顎を引いたり、天井を振り仰いだりしたが、すぐに遥の手首を掴んだ。
「待って、待って、待ってください。ごめんなさい。自分でっ、自分でしますっ! 遥様っ!」
「わかればよろしいのん。さぁ、ショーの始まりなんだわー。あと四分十五秒なのーん」
稜而はホッと息を吐いて、枕に頭を落とした。
「稜而は寝ながらスタイルなのん」
「遥が隣にいてくれるからね」
遥の頭を胸に抱き寄せ、ミルクティー色の巻き髪にキスをした。
「うふーん、遥ちゃんは稜而の美味しいオカズなのん。見てよし、触ってよし、舐めてよし、もちろん挿れてもいいんだわー」
「挿れたい……」
「五分間耐え抜いたら、挿れてもいいのん!」
「マジか。狭き門だな」
稜而は遥の耳に熱っぽい溜め息を吹き掛ける。
「鉄門ほどじゃないと思うんだわ」
「鉄門なんて毎年一〇〇人受け入れる。遥の中は常に世界中で俺一人だけ」
「お待ちしておりますのん! ただしお手々が止まってる間は、カウントしませんのよー」
「厳しいな。再試のチャンスはある?」
「何度でもあるけど、遥ちゃん以外との併願は認めないのん」
「もちろん単願で」
稜而は遥を強く抱き締め、髪に頬擦りをしながらゆるゆると右手を動かした。稜而の手が先に向かうたびに血管が浮き上がった茎が見え、根元に向かうたびに柔らかなシリコンが稜而の先端の形を浮き上がらせる。遥は自分の身体が痺れるのを感じながら、その光景を見守った。
「う……っ、ああ、遥っ。はるか……っ。愛してる。愛してる。セックスしたい……愛し合いたい……遥……。遥の中に入りたい……愛し合いたい、愛し合いたい」
熱い息とともに耳に流し込まれる言葉に遥は身体をきゅっとすくめ、稜而の身体に抱き着く。高い体温が肌から直接伝わってきて、のぼせながら腕時計を見た。
「あと三分なのん」
「長いな……。どうしよう。遥以外のことを考えないと、とてももたない」
「あーん! それはダメなのん! 歴代将軍なんか数えたって、初代から十五代まで全部徳川遥ちゃんなのよ!」
稜而の腕の中でふるふると頭を振ると、目尻にそっとキスをされ、切なげな声が追い討ちを掛けてくる。
「でも遥以外のことを考えないと、いつまでも遥と愛し合えない」
「えーん! ダメなのん! 将軍によそ見もダメだけど、ファックできないのもダメなのん!」
「どうしようか? 何か救済措置を考えてよ。お願い」
甘ったるい声でねだられて、ようやく遥は気づく。
「むきー! してやられたのん! 遥ちゃんのこと考えて早漏になるか、遥ちゃん以外のこと考えて遅漏になるか、どっちかになっちゃうのん」
「どっちがいい?」
間髪入れずに決断を迫られて、遥は稜而の首にしがみついた。
「もうもうそんなの決まってるっちゃよー! 遥ちゃん将軍のこと考えてござソーローなのん!」
「ありがとう。その言葉を待ってた」
「むきーっ!」
「ごめん。お詫びに一人で恥ずかしいことをする俺を全部見せるよ。遥のことを考えたら、俺は瞬殺だ」
稜而は遥の頬にキスをして小さく笑うと、遥の頬に自分の頬を押しつけて目を閉じた。
「ああ、遥……」
稜而の右手は強く握りこまれ、同時に稜而の腰は微かに跳ねた。
「はあっ、遥。恥ずかしい……勝手に腰が動く……」
稜而の人差し指の腹が茎の裏側の一点を通過するとき、びくっ、びくっと腰が震え、その振動は遥の身体にも伝わってきた。
稜而の眉間にはシワが刻まれ、爪先まで力がこもって筋肉や腱の形がくっきりとする。くっと奥歯を食いしばる音が聞こえ、耐えて自分を責め続ける姿に遥が身体を震わせる。
「ぞくぞくするのん」
稜而は目を閉じたまま頷いた。
「俺も。もう本当に限界。遥のこと考えながらいくから見てて……ああ、出すよ。出るっ!」
稜而は遥をきつく抱き締めて、全身を大きく打ち震わせる。性具の内側に白濁の溢れるさまが透けて、余地がなくなると液体は根元から流れ出た。
天上からの光に照らされた愚者のように稜而の顔は恍惚として、全身がゆっくりと弛緩する。
「はあっ。はあ……」
大きな息を吐いて呼吸が整う頃、ぼんやりしていた目の焦点が遥の目に像を結んだ。
「全っ然、我慢できなかった」
稜而は苦笑して、遥の頭を胸に抱く。
「全部遥に見られた。一番好きな人に一番恥ずかしい姿を見せるなんて、セックスって変な仕組みだ!」
笑う振動が遥の身体にも伝わって、遥も一緒になって笑う。
「ふふふっ、一番好きな人だから、一番内緒の姿を見せてあげるのん!」
「遥もそう思って見せてくれてるの?」
少し身体を離して顔をのぞき込まれ、遥は胸が高鳴るのを感じながら頷いた。
「もちろんなのよ! 稜而だから、あーんってなっちゃう遥ちゃんをプレゼントなんだわー!」
「よし、そのプレゼントは一生俺がもらった! 誰にも渡さない!」
改めて抱き締められ、そのまま左右に揺さぶられ、遥は子どものように素直に笑い声を上げた。
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