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第64話*
「きれいな色だな」
カリビアンブルーのベビードールとTバックショーツに着替えた遥を見て、稜而は目を細めた。
「遥の肌の色によく似合う」
「うふーん。でしょでしょなのーん! 入荷時間にお店で待ち構えて、買ってきたのよー! おーいえー!」
遥がくるんと回って、ベビードールの裾が花のように広がり、白い尻が露わになると、稜而は自分の片手で口を覆った。
「うっ!」
「いっぱい写真撮ってね、なのよ!」
「もちろんだ!!!」
稜而はさっそくデジタル一眼レフカメラを向ける。
遥はハイヒールを履いて、ひゃっほー! と楽しそうに笑いながら、壁やソファやベッドを背景に、グラビアアイドルを真似たポーズを次々に決めて、稜而が構えるレンズを見た。
「お尻も撮ってーん!」
ソファの背もたれに掴まり、座面に膝をついて尻を突き出すのを、稜而は次々カメラに収める。
「稜而、写真撮るの上手なのん。ブラボーなのよー!」
撮った写真を液晶画面に表示させて覗き込み、遥は感心した。
「人物はほとんど撮ったことないけどな。学生時代、空の写真を撮るのにはまった。すぐに飽きたけど」
「あーん、これからは遥ちゃんを撮るのにはまればいいのよー! 遥ちゃんとハメながら、はまればいいわーん!」
「ハメながら? マジか!」
ベッドの上に乗ると、遥は崩した正座をして膝の間を広げる。さらに頭の後ろへ手を回して、自分の髪をかきあげながらレンズを見た。
「マジなのん! 男同士なんだから、男の夢と妄想は、じゃんじゃんばりばり実現していきましょなのーん! ♪いざすーすーめーやー、もうそうー! めざすは、しゃしんしゅう! とったら、フォルダにいれ、シコシ……♪」
「遥、そろそろストップ」
稜而は遥の口に左右の人差し指でバツをしてから、天井に向かってゆっくり深呼吸し、レンズを遥に向けた。
「ああ。ええと……。両腕を上にあげて……」
「おーいえー!」
ベビードールが持ち上がり、形のいい臍と透ける布で覆われた下腹部が露わになる。
「ああ、すごくいい。……ええと、まずは胸と、ペニスを触って見せて」
「はいなのん!」
遥は積極的に自分の胸をまさぐり、ショーツの中から掴み出した分身を手の中に包んだ。
「自分が気持ちいいように、手を動かして」
「はい、なのん……」
手の動きは積極的で、遥の頬は紅潮していた。熱っぽい息を吐き、目を眇める。
「あん、稜而……。気持ちいい……」
「いきたくなってきた? いってもいいよ」
モニター越しに遥を見て指示を出すと、遥はぱたんとベッドの上に倒れた。
「あ……っ、あんっ、稜而……」
仰向けに倒れた遥は、顔を横に向けてシーツに押しつけ、膝をすり合わせ、爪先を丸めて、ひくひくと身体を震わせる。
「本当にいっちゃいそうなのん……」
「いいよ。いくところを見せて」
稜而の声は上擦っていた。
「はっ、はあんっ! うっんっ! りょ……じ……っ」
遥の腰は数回跳ねて、同時に白い腹の上に、数滴の白濁が飛び散る。
残滓が先端から垂れる様子を、レンズを近づけて撮り、焦点の合わない目のまま、赤い口を開けて呼吸する顔を撮った。
「遥、レンズを見て」
赤らんだ顔のまま、遥は若草色の瞳をレンズに向け、稜而はシャッターボタンを押した。
「いい顔だ」
「う……ん。稜而のエッチ」
とろりと蕩けた声に、稜而は身体を震わせる。
「遥……っ」
稜而は遥の腹に散る白濁を舐めとり、着ていたシャツを脱ぎ捨てると、遥の身体に自分の身体を重ねた。
唇を重ね、遥の唇を上下交互に味わいながら、我慢できずに自身の猛りを遥のカリビアンブルーのショーツへ擦りつける。
「ああ、遥……」
「稜而、写真撮って……なのん」
遥は稜而の身体を両手で押して、ヘッドボードへ寄り掛からせると、ブラックデニムのボタンを外し、ファスナーを下げ、下着も一緒に稜而の足から引き抜いた。
「はあっ」
「うふん。キツかったの、楽になったのん」
「ああ」
何の支えもなく自立してひくんと揺れる姿に、遥は自分の赤い唇を舐めて、若草色の目を細める。
「いただきますなのよー。写真撮ってーん!」
「うわっ!」
遥は口を開けると、稜而の屹立を口に含んで稜而を見上げた。さらには裏側へ舌をあて、ソフトクリームを味わうように舐め上げたり、ハーモニカを吹くように横に咥えたりして、視覚にも触覚にも刺激を与える。
稜而は呼吸を荒くしながら、遥の口淫する姿をレンズで捉えた。
しかし、遥の口内に包まれる快楽に長時間抗い続けることはできず、稜而は顎を上げた。
「くっ! 出そうだ、遥。離せ」
遥は目を細め、笑んで見せただけで止めず、稜而の声は次第に悲鳴のようになってくる。
「ああっ、遥っ、出るっ!」
腰を貫く快感に呻きつつ、遥の口内へ放った。
「ふふっ、ごちそうさまでしたのん」
白濁が絡む舌を見せられて、稜而は肩で息をしながら、その舌を出す遥の妖艶な顔も写真に撮った。
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