95 / 191

第95話*

「稜而、ちゅっちゅしすぎなのーん! ♪ちゅう、ちゅう、ちゅちゅ、なつのはるかちゃん、ゆかたがとってもにあうの、しげきてきさ、パンツもすてーきー♪」 遥は笑って足をばたつかせ、身体が揺れて、セクシーランジェリーの臍下に葡萄の房のようについている小さな鈴が華やかな音を立てた。 「こんな場所に鈴がついてるなんて、エロい下着だ」 稜而は熱っぽい吐息を遥の耳に吹き掛ける。 「あーん、稜而のお気に召したのよー!」 「たくさん遥の身体を揺らして、鈴を鳴らしてやる」 遥の肩を抱き、キスを交わしながら、露出している遥の分身へ指を絡めた。 「ふふっ。…………ンっ、ん」 遥は目を閉じたまま笑うと、すぐ眉根を寄せ、唇を薄く開いて熱い息を吐いた。 「変になっちゃうのん……っ、あ、ンっ」  稜而の指がリズミカルに撫でるたび、火傷しそうに熱い快感が生まれ、下腹部にその快感が蓄積されていくのを感じる。 「いくらでも変になればいい」 遥の肩を抱いている手で浴衣の衿を引き上げて合わせ目を緩め、露わにした胸へ口を寄せる。 「ひゃあっ! あ、ああんっ。あっ、あーっ」 遥の踵が畳を蹴り、身体が跳ねて、鈴がシャラシャラと音を立てる。  稜而は遥の胸の粒を口に含んで舌先で転がし、遥の雄蕊を手に包んで硬く育てる。 「っ、はっ、稜而…………。もう、やっ、はあんっ」 遥は頭を左右に振り、膝を摺り合わせ、爪先を丸めて身体を震わせた。 「稜而、稜而……。いきたくなってきちゃった……っ、んっ、ああっ」 「いいよ。いつでもおいで」  稜而はそれだけ言うと、また遥の胸へ吸いつき、容赦せずに雄蕊を扱き上げた。 「はあっ、ああっ、あんっ! もっと……、もっとして、稜而っ。いきそ……っ」 胸に吸いつく稜而の頭を、遥の手が掻き抱く。  追い上げる稜而の手は遥の雄蕊から流れる蜜で濡れ、その水音が遥のせわしない息遣いとあいまって、いっそう二人の情欲を掻き立てる。稜而の責めは激しくなり、遥の喘ぎ声は一際高くなった。 「はっ、あ、あ、あ…………。いく、いくっ、…………あ、ああああああっ!」 遥の全身に力がこもり、強く腰が跳ねて鈴が音を立て、胸に吸いついていた稜而の頬まで温かな粘液が飛んできた。 「元気だな」 「はあっ、はあっ、…………あっ、ごめんっ、稜而」  顔をまだ赤く艶めかせたまま、遥が慌てた声を出すのを、稜而は目を弓形に細めて落ち着かせ、頬についた粘液を指ですくい、遥の目の前で舐めて見せた。 「いい味」 「うっそーん! 美味しくないのーん」  遥は畳に後頭部を擦りつけながら笑った。 「そう? 遥のは美味いよ。唾液でも、精液でも」 「変態なのん!」 「お互い様だろ。お前だって飲むくせに」 「ふっふーん。飲んであげよっか?」 遥が手を伸ばし、ジーンズの内側の形を辿った。稜而は遥の耳に甘く低い声で囁く。 「飲まなくていいから、挿れさせて」 「ふふっ。『お願い、先っぽだけでいいから!』って?」 「そんな哀れっぽい頼み方なんかしない。俺の頼みは『お前の中でいかせて』だ」  稜而が片頬を上げて笑うと、遥も意味ありげな笑い方をして、稜而の頭を抱き締め、耳元で囁いた。 「前置きなんかいらない。すぐに来て」  稜而は肩をふるわせ、それから深く息を吸い込み、吐き出してから笑った。 「お前、そんなこと言ったら、実行するぞ?」 「いいよ。稜而が欲しい」 遥の真面目な声に、稜而は顔を上げると遥に笑顔を向けて、素早く頬にキスをした。 「遠慮なく、いただきます!」  稜而は遥を畳の上にうつ伏せに寝かせ、腰だけを高く上げさせると、裾を捲り上げた。黒の防水ポーチをたぐり寄せ、チューブからゼリーを絞り出すと、ミントグリーンの細いリボンをずらして遥の秘所へ塗りつける。 「んっ」 「ごめん、冷たかった?」  はっとして稜而は遥の顔をのぞいた。 「ううん。えっちっちーな声が出ちゃったのん……。遥ちゃん、せっかちなのん。恥ずかしっ!」 はにかんで笑う遥の頬へ手を伸ばして撫で、目の前のふわふわした尻に、稜而はおどけて音を立てたキスをした。 「もっとそういう声、出して。聞きたい」  窄まりを指の腹で撫で、指を差し入れて内壁を探る。 「あん、……ンっ、ああ、はあ、んんっ。ああ、やあ……っ。ああん、稜而ぃ!」 稜而は知り尽くしている遥のポイントを指の腹で撫で、遥の声を聴きながら、確実に追い上げていった。 「あ、ああん。稜而、稜而!」 「いっていいよ、遥。ほら、いって」 柔らかく押し上げると、遥は畳に爪を立てて簡単に絶頂した。 「ああああーっ!」  ひくひくとうごめく内壁から指を引き抜くと、稜而は自分の唇を舐め、ジーンズから引きずり出した己に支度を施すと、遥の尻の狭間に数回擦りつけてから、一息に孔へ突き立てた。 「はああああんっ!」 その勢いだけでまた遥は遂げて背骨を軋ませた。  稜而は遥が遂げる姿に目を弓形に細め、遥の硬直が解けるのを待ってから、ゆっくりと抜き差しを始めた。

ともだちにシェアしよう!