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第98話*
「少し冷えたから、お湯につかろう」
稜而は先に浴槽へ入って座り、遥の姿を見上げた。遥は当然、片足を上げてふちを跨ぐ。そのときに、脚の間にある宝物が眼前を通過するのを、稜而は顔を傾けてのぞき見た。
「いい眺め」
「稜而のえっちっちー!」
温泉に肩まで浸かった遥は、両手を組み合わせて水鉄砲を作り、稜而の肩に向けて湯を押し出す。
「お、上手くなったな」
稜而も笑いながら、遥の肩に向けて水鉄砲を撃った。
「遥ちゃんは、リョージ・ハンターなのよ! ♪Get wild and tough、ひとりーでは、できないあいのかたちをてーいあん! Get wild and tough、ふたりーなら、やがいのたちバックもかなうーのよ!♪ おーいえー!」
遥は湯の中からこぶしを突き上げ、水滴を振りまきながら元気よく笑った。
「立ちバックがいいのか?」
「おーいえー! 気持ちよくて崩れそうになるのを、ぎゅって抱き締められながら、突き上げられたい気分なのー!」
「なるほど」
稜而はポーチを手繰り寄せると、遥を自分の顔の前に立たせた。
「お湯をよごさないように、遥もつけたほうがいい」
まだ俯いている遥の分身をするんと口に含み、ゆっくりと舐めしゃぶって育てる。
「あ、んっ。稜而……」
肩をすくめ、くすぐったいような快感に耐えるうち、遥の質量と硬度は瞬く間に増していった。
稜而は遥の分身を口に含んで育て続けながら、指にとったローションを窄まりに塗りつけ、柔らかくなるまで撫で、遥は小さく腰を揺らす。
「あーん、もう、止めて。我慢できなくなっちゃうのん……」
稜而は口を外すと、遥の先端から根元までをするすると薄膜で覆った。さらに自分も湯の中から立ち上がると、己の堅さを薄膜で覆い、背後から遥を抱き締めた。
「いい?」
耳元に問うと遥は頷き、後ろ手に稜而の髪を撫でた。稜而は遥の顎を指で捉えて振り向かせ、深く口を合わせて舌を絡めながら遥の中へ侵入した。
身体をつなげてから、稜而はゆっくり遥の耳を食み、舌を差し入れて探り、首筋から鎖骨を辿って、肩口の皮膚をきつく吸った。
「ん、稜而……っ」
その間に片手は遥の胸をまさぐり、胸の粒をつまんで揺さぶって、遥はその甘い衝撃に背中を反らせる。
「あっ、気持ち……い……っ。もっとして……」
跳ね上がる身体を抱え込んで、退路を断ちつつ責め立てると、ほどなくして遥は全身を震わせ、後孔に食い込む稜而の堅さを締め上げた。
「うっわ、遥……っ」
踏みとどまったが、こみ上げてくる情動に耐えきれず、稜而はつなぎ目を揺さぶり始める。
背後から強く抱き締め、遥のなめらかな肌と温泉の水滴に頬ずりをした。
「大好きだ、愛してる。愛してる……遥……」
こみ上げてくる快楽と感情をすべて表出しながら、稜而は己を打ち込み続けた。
「あっ、稜而、稜而……」
抱かれる腕に自分の腕を重ね、遥も目を閉じて全身で稜而を感じる。身を焦がすような快楽が全身を巡り始めて、二人は湯の中で身体を揺さぶり、さざ波を立てながら高みを目指し続けた。
「はっ、あ……、稜而っ、もう……っ」
遥の膝から力が抜けて崩れ落ちそうになるのを、稜而は抱え上げて揺さぶり続ける。
「遥……っ」
言葉を交わせたのはそこまでで、二人は強まる快感に口をつぐみ、時折喘いで酸素を取り込みながら、また息を詰めて、波の到来を待った。
マグマのように粘度を持った熱はみるみるうちに内圧が高まって、身体の中心から一気に噴出した。
「ん、あっ、…………あああああっ!」
先に遂げたのは遥で、締めつけられて稜而も遂げた。
「はあっ、遥…………っ!!!」
欲望が身体から勢いよく噴出していく感覚に身を躍らせ、空に向かってこらえきれない声を上げた。
「はあっ、はあっ……。いっぱいいっちゃったのん……」
「おっと」
意識を取り戻した稜而は、崩れ落ちそうになる遥の身体を慌てて抱き直し、激しく上下する肩に唇を押しつけた。
呼吸が整うまで身体を密着させたまま過ごし、それから照れ笑いしつつ後始末をして、二人は再び湯の中に沈んだ。
「遥ちゃん、燃えちゃったのん……」
「そうだった?」
内容を思い返し首を傾げていると、遥は稜而の腰を跨ぎ、首に腕を絡める。
「え?」
「遥ちゃん、燃え燃えなのん……。助けて、キャベツ」
稜而の腹へ押しつけられたものには硬さがあって、稜而は目を見開き、頬を染めている遥の顔を見てから、すぐに笑顔になって抱き締めた。
「もちろんだ! ここでもう一度? それともベッドへ行く?」
「のぼせちゃったのん。お水を飲んで、ベッドへ行きたいわ……」
「そうしよう! 遥の気が変わらないうちにっ!」
稜而は遥を横抱きにして、湯の中から勢いよく立ち上がると、飛び跳ねるように走って遥をベッドの上まで運んだ。
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