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第111話*

 遥は大きく息をつきながら、ゆっくりと瞬きをしていた。  稜而は遥の髪をゆっくりと撫でる。 「いった? でも、まだまだたりない。遥もそう思うだろ?」 反対側の胸の粒にもワイシャツ越しに吸いつかれ、遥は体を震わせた。 「あんっ! あ、あ、稜而っ」 稜而にのしかかられ、ひたすらに疼くような快感を与え続けられる。逃げ出したくなるほどの快感に、遥はまた達した。 「あああああっ! …………はあっ、はあっ」 「遥は、もともと感じやすかったけど、前よりもっと感じやすくなった気がする」 稜而は濡れて透けている胸の粒をまた口に含んで、遥に声を上げさせた。 「あんっ!」 「ひょっとして、シャツが擦れるだけで声が出る?」 笑って問われて、遥も笑いながら答える。  「それはないのん……」 「そう? 試してみようか」  稜而は、じれったいほどにゆっくりとワイシャツのボタンをはずし、遥の肌を撫でるようにしながら、外側へシャツを開く。 「遥、感じる?」 「ううん」 表情を観察しながらゆっくりと布をずらし、ボタンとボタンホールがある前立ての布が厚い部分で、赤く膨れている粒を擦った。 「あっ!」 「気持ちいい?」  稜而は確かめるように、何度も布で遥の胸の粒を擦った。 「んっ、ああんっ、やあ……っ」 「気持ちいいからヤダは、聞かない」 真っ赤に腫れ上がった胸の粒を両方同時につまんで揺らしながら、胸骨の上に口づけ、正中を辿って臍にキスを落とすと、その下にある白いコットンのフリルがあしらわれたランジェリーに目を留めた。 「可愛い下着を選んだね。もう硬くなってる?」 「わ、わかんない……。んっ、ああんっ」 「透かして見てみようか」  稜而は口を開けると、ランジェリーの下で形をはっきりさせている茎を横咥えにして、口の中で舌を這わせた。尖らせた舌先で裏側を辿り、広げた舌をあてて体温を伝えて、遥を翻弄する。 「ひゃあっ! あ、ああっ。ああん!」 左右の胸の粒を弄られながら、敏感な茎を唇と舌で刺激されて、遥は何度も背中を跳ね上げ、腰を震わせた。 「あん、稜而っ! いっちゃう……っ」 「いいよ」  ランジェリーの中から茎を掴み出して、直接口の中へ含んだ。熱く柔らかな口内で翻弄されて、遥は悲鳴を上げ、稜而の髪へ手を埋める。 「そんなにしちゃダメ……、はあんっ! ああ、ああ、稜而っ、い……、いく……っ!」  崖のふちから足を踏み外すような浮遊感に身を躍らせて、遥は湛えていたものを細い管から一気に放った。 「ああああああああっ」 爪先を丸め、全身を強張らせて、びくびくと身体を震わせてから、弛緩してベッドの上に身体を投げ出す。 「はあっ、ああっ」 遥は白いワイシャツの前をはだけ、上気した肌をのぞかせながら、薄い胸を大きく上下させて喘いでいた。  稜而は満足げに微笑むと、遥の耳に口を寄せて吐息混じりの甘ったるい声で囁く。 「もっと気持ちいいこと、しようか?」 遥は目を閉じて呼吸を整えながら、ドレンチェリー色の唇を左右に引いて頷いた。  稜而を仰向けに寝かせると、遥は逆さまになって稜而の顔を跨ぐ。 「お待たせしましたなのん、稜而くんの大好きなお尻をどうぞお楽しみくださいませませー!」 遥はそう言って振り返ると、自分の手で太腿から腰まで撫でて、ワイシャツの裾を捲り上げた。 「最っ高!」  稜而は白いコットンのランジェリーが食い込む尻へ、思い切りよく自分の顔を埋めた。  小ぶりな尻たぶを両手に一つずつ掴んで揉みまくり、うっとり目を閉じて顔を擦りつけ、発酵したパン生地のようにふわふわと柔らかな感触を楽しむ。 「このまま遥の尻に溺れて死んでもいい。本望っ!」 「稜而、本当に窒息しちゃいそうなのん」 笑う遥の尻をさらに引き寄せると、双丘の谷間に食い込むコットンのラインを舌先で辿って、菊の花のような窄まりへ舌をねじ込む。 「あっ、んんんっ!」  むずむずした快感に遥の上体が崩れ、稜而の硬さが目の前に来て、遥は布の下からその硬さを引きずり出すと、手のひらで包み、舌を出して舐めた。 「はあ、遥……っ」 遥の手の中で稜而の硬さはさらに成長し、赤黒く張り詰めて、早くも透明な液をあふれさせて、遥の手を濡らした。 「遥、ストップ。全然もたない……」 稜而がナイトテーブルの引き出しから取り出した正方形のパッケージを差し出すと、遥は受け取って、パッケージの端を破りとり、透明な薄膜を先端にあてて、するすると根元まで掻き分けながら覆う。  稜而は生唾を飲み込み、喉を鳴らしながらランジェリーを引き下げ、遥を促して片足だけ引き抜かせると、反対の足に白いランジェリーをまとわりつかせたまま、窄まりに潤いを施した。 「後ろからしていい?」 「ふふっ、どうぞなのん」 稜而は身につけていた衣類をすべて脱ぎ捨てると、突き出された白い尻へ手で支えた先端を擦りつけ、それから息を詰めてゆっくりと押し込んだ。 「あっ、ああっ、稜而っ……」 「遥、力抜いてくれ……っ」 擦り上げられて喘ぐ遥の背中を撫でてあやしながら、慎重に根元まで押し込むと、白いワイシャツを羽織ったままの背中に倒れ込んで抱き締めた。 「愛してる。遥とセックスできて、嬉しい」 「遥ちゃんもよ。愛してるのん。いっぱい、あーんってなりましょ」 振り返って微笑む遥とキスを交わすと、そのままつなぎ目を揺らした。 「遥のお尻が腹にあたって、すごくいい」 「尻フェチなのーん」 「お尻のふくらみには夢が詰まってるし、その間にはロマンがある」  規則正しく突き上げながら持論を展開して、笑う遥の口を自分の口で塞ぐ。舌も絡め取って、舌の感触に気をとられている間に、一気に追い上げた。 「んっ。……稜而っ。ああ、ああっ」 口を外して喘ぐ遥の内壁を擦り、膨らみを突き上げる。遥を責め立てながら、稜而も摩擦から生まれる熱い快楽に駆られて、ずり上がる遥の腰を引き戻し、しっかり抱えて打ちつける。  遥の尻と稜而の腹の肌がぶつかる音が響き、その音にも煽られて、稜而は姿勢を低くしたまま疾走した。 「りょ、じ……っ」 「遥っ、遥っ!」  火傷しそうな快感に苦しみながら走り続けて、遥が耐えきれずに先に身体を震わせた。  熱い内壁が稜而を締め上げ、稜而もまた最奥で爆ぜる。 「あっ、く……っ。遥っ!!!」 どくどくと粘液を放ち、稜而と遥はベッドの上に重なってつぶれた。  呼吸が整うと、遥は汗ばむ稜而の頬にキスをした。 「お尻、いっぱい、いっぱい見せてあげるから、遥ちゃんのお尻専門のフェチになってね、なのん」

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