111 / 191
第111話*
遥は大きく息をつきながら、ゆっくりと瞬きをしていた。
稜而は遥の髪をゆっくりと撫でる。
「いった? でも、まだまだたりない。遥もそう思うだろ?」
反対側の胸の粒にもワイシャツ越しに吸いつかれ、遥は体を震わせた。
「あんっ! あ、あ、稜而っ」
稜而にのしかかられ、ひたすらに疼くような快感を与え続けられる。逃げ出したくなるほどの快感に、遥はまた達した。
「あああああっ! …………はあっ、はあっ」
「遥は、もともと感じやすかったけど、前よりもっと感じやすくなった気がする」
稜而は濡れて透けている胸の粒をまた口に含んで、遥に声を上げさせた。
「あんっ!」
「ひょっとして、シャツが擦れるだけで声が出る?」
笑って問われて、遥も笑いながら答える。
「それはないのん……」
「そう? 試してみようか」
稜而は、じれったいほどにゆっくりとワイシャツのボタンをはずし、遥の肌を撫でるようにしながら、外側へシャツを開く。
「遥、感じる?」
「ううん」
表情を観察しながらゆっくりと布をずらし、ボタンとボタンホールがある前立ての布が厚い部分で、赤く膨れている粒を擦った。
「あっ!」
「気持ちいい?」
稜而は確かめるように、何度も布で遥の胸の粒を擦った。
「んっ、ああんっ、やあ……っ」
「気持ちいいからヤダは、聞かない」
真っ赤に腫れ上がった胸の粒を両方同時につまんで揺らしながら、胸骨の上に口づけ、正中を辿って臍にキスを落とすと、その下にある白いコットンのフリルがあしらわれたランジェリーに目を留めた。
「可愛い下着を選んだね。もう硬くなってる?」
「わ、わかんない……。んっ、ああんっ」
「透かして見てみようか」
稜而は口を開けると、ランジェリーの下で形をはっきりさせている茎を横咥えにして、口の中で舌を這わせた。尖らせた舌先で裏側を辿り、広げた舌をあてて体温を伝えて、遥を翻弄する。
「ひゃあっ! あ、ああっ。ああん!」
左右の胸の粒を弄られながら、敏感な茎を唇と舌で刺激されて、遥は何度も背中を跳ね上げ、腰を震わせた。
「あん、稜而っ! いっちゃう……っ」
「いいよ」
ランジェリーの中から茎を掴み出して、直接口の中へ含んだ。熱く柔らかな口内で翻弄されて、遥は悲鳴を上げ、稜而の髪へ手を埋める。
「そんなにしちゃダメ……、はあんっ! ああ、ああ、稜而っ、い……、いく……っ!」
崖のふちから足を踏み外すような浮遊感に身を躍らせて、遥は湛えていたものを細い管から一気に放った。
「ああああああああっ」
爪先を丸め、全身を強張らせて、びくびくと身体を震わせてから、弛緩してベッドの上に身体を投げ出す。
「はあっ、ああっ」
遥は白いワイシャツの前をはだけ、上気した肌をのぞかせながら、薄い胸を大きく上下させて喘いでいた。
稜而は満足げに微笑むと、遥の耳に口を寄せて吐息混じりの甘ったるい声で囁く。
「もっと気持ちいいこと、しようか?」
遥は目を閉じて呼吸を整えながら、ドレンチェリー色の唇を左右に引いて頷いた。
稜而を仰向けに寝かせると、遥は逆さまになって稜而の顔を跨ぐ。
「お待たせしましたなのん、稜而くんの大好きなお尻をどうぞお楽しみくださいませませー!」
遥はそう言って振り返ると、自分の手で太腿から腰まで撫でて、ワイシャツの裾を捲り上げた。
「最っ高!」
稜而は白いコットンのランジェリーが食い込む尻へ、思い切りよく自分の顔を埋めた。
小ぶりな尻たぶを両手に一つずつ掴んで揉みまくり、うっとり目を閉じて顔を擦りつけ、発酵したパン生地のようにふわふわと柔らかな感触を楽しむ。
「このまま遥の尻に溺れて死んでもいい。本望っ!」
「稜而、本当に窒息しちゃいそうなのん」
笑う遥の尻をさらに引き寄せると、双丘の谷間に食い込むコットンのラインを舌先で辿って、菊の花のような窄まりへ舌をねじ込む。
「あっ、んんんっ!」
むずむずした快感に遥の上体が崩れ、稜而の硬さが目の前に来て、遥は布の下からその硬さを引きずり出すと、手のひらで包み、舌を出して舐めた。
「はあ、遥……っ」
遥の手の中で稜而の硬さはさらに成長し、赤黒く張り詰めて、早くも透明な液をあふれさせて、遥の手を濡らした。
「遥、ストップ。全然もたない……」
稜而がナイトテーブルの引き出しから取り出した正方形のパッケージを差し出すと、遥は受け取って、パッケージの端を破りとり、透明な薄膜を先端にあてて、するすると根元まで掻き分けながら覆う。
稜而は生唾を飲み込み、喉を鳴らしながらランジェリーを引き下げ、遥を促して片足だけ引き抜かせると、反対の足に白いランジェリーをまとわりつかせたまま、窄まりに潤いを施した。
「後ろからしていい?」
「ふふっ、どうぞなのん」
稜而は身につけていた衣類をすべて脱ぎ捨てると、突き出された白い尻へ手で支えた先端を擦りつけ、それから息を詰めてゆっくりと押し込んだ。
「あっ、ああっ、稜而っ……」
「遥、力抜いてくれ……っ」
擦り上げられて喘ぐ遥の背中を撫でてあやしながら、慎重に根元まで押し込むと、白いワイシャツを羽織ったままの背中に倒れ込んで抱き締めた。
「愛してる。遥とセックスできて、嬉しい」
「遥ちゃんもよ。愛してるのん。いっぱい、あーんってなりましょ」
振り返って微笑む遥とキスを交わすと、そのままつなぎ目を揺らした。
「遥のお尻が腹にあたって、すごくいい」
「尻フェチなのーん」
「お尻のふくらみには夢が詰まってるし、その間にはロマンがある」
規則正しく突き上げながら持論を展開して、笑う遥の口を自分の口で塞ぐ。舌も絡め取って、舌の感触に気をとられている間に、一気に追い上げた。
「んっ。……稜而っ。ああ、ああっ」
口を外して喘ぐ遥の内壁を擦り、膨らみを突き上げる。遥を責め立てながら、稜而も摩擦から生まれる熱い快楽に駆られて、ずり上がる遥の腰を引き戻し、しっかり抱えて打ちつける。
遥の尻と稜而の腹の肌がぶつかる音が響き、その音にも煽られて、稜而は姿勢を低くしたまま疾走した。
「りょ、じ……っ」
「遥っ、遥っ!」
火傷しそうな快感に苦しみながら走り続けて、遥が耐えきれずに先に身体を震わせた。
熱い内壁が稜而を締め上げ、稜而もまた最奥で爆ぜる。
「あっ、く……っ。遥っ!!!」
どくどくと粘液を放ち、稜而と遥はベッドの上に重なってつぶれた。
呼吸が整うと、遥は汗ばむ稜而の頬にキスをした。
「お尻、いっぱい、いっぱい見せてあげるから、遥ちゃんのお尻専門のフェチになってね、なのん」
ともだちにシェアしよう!