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愁は高校を卒業するとすぐ佐嶋組の若頭として仕事に就いた。まあ、元々仕事はやってたんだけど。 千尋は仕事の為、組の為に人を抱かなければいけない時がある。 高校の頃から千尋は俺以外を抱くと必ず俺を抱く。 最初は辛かった。 それはそうだ、だって自分の恋人が自分以外を抱くなんてショックを受けない方がおかしい。 ある日千尋の部屋に居ると千尋のお父さん、佐嶋組の組長さんから呼ばれた。 「愁には辛い思いをさせてすまないな。あいつは、あいつなりの方法で組を守ろうとしてくれている。あれは、千尋が考えた上で出した方法の1つなんだろう。実際あいつが持ってきた情報が組の役に立っている。それでも、あいつの中で常に心の真ん中にいるのは愁、お前さんだ、だからあいつを支えてやってくれ。」 俺がショックを受けている事に気づいていたんだろう、そう言って俺の頭を撫でた。 千尋の仕事の事は理解しているし、否定するつもしもない。だから俺は強くなろうと決めた。 「本気で好きになったら殺すぞ?」 千尋のその言葉。 千尋は不器用だ、きっと心では俺があの子を抱かないことを知っている。知っていてわざとそういうことを言う。こういう方法を使わないとそれを確かめられない。 だから俺は、、、 「千尋ってさ、本当に不器用だよね。俺が千尋以外とやると思う?俺は千尋の帰ってくる場所なんだから、その場所がふらふらしてちゃ駄目でしょ?」 千尋は必ず俺の所へ帰ってくる。不安定な千尋を受け止められるのは俺しかいない。これまでもこれからも。それだけで俺は十分だ。 それに、今更女の子を抱けない気がするし?と思ってるのは千尋には内緒。 「でもね、もし千尋が死ぬ時は俺も殺してね?千尋のその手で。」 もしも、これから先千尋が俺以外を選んだら俺はどうするだろう。 いや、答えなんて決まっている もしも、この先千尋が俺以外の誰かに行くのならその時はきっと、俺が千尋を殺すんだろう。そして俺自身も… 俺達の愛は歪んでいる。 でも、それが俺達の愛の形。 今日も明日も明後日も……10年後も20年後も俺は君に溺れてる。

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