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④
初めはやっぱり嫉妬もした。
杏梨は毎月優さんの命日にお墓参りに行く。それを見るとやっぱり杏梨は優さんの事が忘れられないんだと思った。
やっぱり好きなんだ。
何度も何度も不安になった。その度杏梨のあの言葉を思い出す。
『仕方ねえだろ、今はお前の事が好きになっちまったんだから。』
大丈夫
その言葉があれば俺は大丈夫
俺はどちらかというと自分の感情を隠すのは得意だ。だからこれくらいどうってことない。
「おい奏、今月はお前も来いよ」
ある日杏梨にそう言われて俺は杏梨と一緒に優さんのお墓参りに行った。
そこは海沿いにある綺麗な丘の上にあった。
杏梨は本当優さんの事を大切に思っている。そんな綺麗な関係の2人に俺なんかが居ていいのだろうか。
俺がそんな事を考えていると杏梨が俺の手を引いてお墓の前まで来てしゃがんだ。
そして、優しく話し出した
「1ヶ月ぶりだな優。今日は奏を連れて来た、ずっと連れてこようと思ってて全然連れてこれなくてすまねえな。」
「え…?」
俯いていた顔を上げると杏梨は俺に微笑んでまた話し始めた
「こんなおっさんが1人で来て恋人の惚気を聞かされ続けるのも暇かと思ってよ。お前も充分知ってると思うがこいつは本当にいい奴なんだ。だから、俺はこの命が尽きるその時までこいつの事を守り抜こうと思う」
杏梨に恋をしてから俺はよく泣くようになったと思う。と言ってもそんな頻繁に泣いているわけじゃないけど少なくとも前よりはだ。
だからほら、今だって視界がぐにゃぐにゃでよく前が見えない。
「どからよ、奏、お前が不安がることなんか何にもねえんだ。俺は奏が好きなんだから。」
いつから気づいていたんだろう。
いや、きっと俺が隠せてなかったんだ。
隠せるはずがないんだ。だって杏梨には全部バレてしまうから、
「優さん、俺ね…ッ必ず杏梨を幸せにするよッ。ま、また来月も杏梨と一緒に来るからね!」
涙で顔はぐしゃぐしゃだし鼻声で上手く話せたかも分からない。でも、きっと優さんには伝わったはずだ、
そして杏梨にも、
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