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03.

気付かれていた。必死に抑えてたのに。喉がカラカラに乾くのがわかった。 「……」 「だったら全部…俺の全部、祐が愛してくれていいよ」 「…は?」 突然のことで思考が追いつかない。 「祐は俺のこと全部わかってて、俺はどうしたってお前から離れられないって気付いたんだ。 だから、お前が俺を愛して」 「なにいって…」 ゆっくりと憬が近付いてくる。憬の方が少しだけ俺よりも身長が高い。 それなのに今日はやけにデカく見える。背中に回された腕を振り払うことも出来ず、されるがまま。 「俺を愛して、祐」 今まで知らなかった、憬の体温。首筋に触れる吐息。その言葉は身体中を流れる血液のように、全身に染み渡る。まるで麻薬のように。 「…っ……はぁ……あ…」 「た、…すく……」 欲に任せて憬を何度も抱く。理性なんかとっくに切れて、止め時なんか分からない。 気付いた時には外は明るくなっていて、憬は俺の隣で眠っていた。眠っていたというよりは、お互い意識が飛んでしまったのだろう。 処理もなにもしていないし、憬の身体は全身に口痕と俺が爪を立てたであろう細かい傷。俺の身体にも数個の口痕と、背中がひりひりするからきっと傷があるのだろう。憬に付けられたモンだと思えば、傷すら愛おしい。 それから俺達は今まで以上に一緒にいる事が多くなった。憬が俺を、祐が俺を愛してくれるならそれ以外は何もいらない。

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