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第129話
そして翌日の学園祭二日間の最終日。
この日は外部者も招き入れての学園祭。
αの多い金持ち高とあって生徒の関係者は著名人が数多くやって来るため、警備の数も多く、荷物の厳重チェックやボディーガードまでいる。
記者やメディアも注目するこの大規模な学園祭は全国でもここだけだ。
学園に高級車がやってくると一斉にカメラのシャッターの音が響きリポータも話し出す。
「ほんと凄いね」
「毎年大物が来るからな。
そんで、子供同士で仲良くしてたりすると親もお互い直接会って話ができるから、親しくなったりして商談が上手くいったりしてっから、マスコミはたかが高校生の学園祭に集まってくる。
…………ご苦労なこったな。
暇人ども」
陽介がそんな毒を吐きながらはぁと大きなため息をついている。
朝からこんな調子だ。
あんまり楽しそうじゃない。
その理由を聞いていた希一が苦笑いをする。
「そんなに家族が来るの嫌なの?」
「嫌だね、特に妹は!
あいつめんどくさいんだよマジで」
陽介はそう言うけれど希一は彼女に会うのは楽しみだった。
だって親友の家族はどんな人なんだろうって気になる。
そして希一は流鏑馬の裏方で色々と準備し、観客も集まってきた。
和太鼓の音が鳴り響きいよいよ本番。
馬が走りだし射手が的を狙う。
パンと放たれた矢は見事命中し歓声が沸き上がる。
その後も2番手、3番手と続き、流鏑馬は成功に終わった。
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