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第128話

希一に綺麗だと言われた碧は気を良くしたのか、二人の注文を取る。 「俺はモンブランとアイスコーヒーで! 希一は?」 「えっと、じゃあ俺もアイスコーヒー………と、ショートケーキを」 「分かった」 先程まで裏に隠れていた碧は希一が来てからは打って変わって他の客に対しても堂々とするようになった。 あのプライドの高いナルシストも、希一の前ではただの恋愛に奥手な天使と成り変わる。 何とも単純で扱いやすく誂いやすいことか。 雫は笑いを堪えることが出来ず希一らに背を向けて震えている。 それを陽介は本当になんでこんな人を碧は従者にしたのかと疑問に見ていた。 最早恥じらいなど何処かに行ってしまった碧を、彼目当てにやって来た客が一斉にカメラを向ける 「なんか凄いね……… 皆碧さん見に来たのかな」 「だろうな……… てか、熱狂的過ぎて気持ち悪っ」 碧のファンには熱狂的な人が多数いる。 これで彼が希一と交際していると知ればどうなるだろうと陽介は恐ろしくなる。 まぁ、流石に九条家の人間には手出しはしないか……… 多分希一の場合碧と付き合うことで一番の障害となるのは九条家の人間なんだろう。 なんせα至上主義の一族。 交際が知られ、このまま結婚、番となれば下手したら碧は勘当される。 碧がそれでも構わないと言ったとしてもじゃあ、希一は? きっと自分を責める………… それに希一が碧の家族から命を狙われないとも限らない。 守らなければ………… 陽介はどんなことがあってもこの笑顔を守ると改めて誓う。

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