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第131話
和やかな雰囲気で校内を歩いているが、なんせ九条家の、それも次期当主の秀一がいるのだから注目を浴びる。
するとそこに二人の男女が近づいてくる。
中年の男性と若い女性。
それに気づいた陽介はげっ、と呟いた。
「陽介」
女性に名前を呼ばれた陽介に希一は何となくこの人たちの正体に気づく。
「もしかして陽介のお父様と妹さん?」
「……まぁな」
陽介の双子の妹、茉莉。
陽介と似た目元が印象的な美人な人だと希一は思った。
「貴方が希一さん?初めまして陽介の妹の茉莉です
本当に綺麗な方ね。
陽介が何か迷惑かけてないかしら?」
「そんな、陽介はいつも良くしてくれてますよ」
「そう?ならいいのだけれど………
何かあったら遠慮なく仰って下さいね」
「ありがとうございます。
茉莉さん、とても美人で優しい方ですね。
陽介から聞いてるイメージと違う」
陽介は茉莉を暴力女とかブスとか酷いこと言っていたが美人で清楚な感じがした。
「へぇ、私のことどんな風に言ってるのかしら
ねぇ、陽介?」
「………っ!!」
バツの悪そうに目を逸らす陽介は冷や汗を流していた。
ああ、これ、殺されるなと………
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