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第133話
両親と共に校内を周った希一。
あまり両親とこうやって過ごすことが無かったのでとても楽しかった。
そんな中でやはり九条家でも大物の父は注目される。
父に挨拶に来る者もいてゆっくり過ごすと言うわけにはいかなかった。
それに母の朔と希一の存在が周りはとても驚きのようだ。
男の朔が妻で存在を公表されていない息子。
それはつまり朔がΩと言うことを指しているのだから。
あのα至上主義、しかもよりによって秀一の妻がΩでそれも男性なのだから周りは戸惑っている。
それでも秀一は隠しもせず妻と息子だと堂々と紹介する。
希一はそれが嬉しかった。
ずっと九条家からは無いものとして扱われていたから母と一緒にここに存在していいのだと……
色んな出し物を見て回った後はこの学園祭の花形のパーティーだ。
沢山の著名な人が集まってのパーティーは本当に壮観だと希一は碧から聞いていた。
パーティー会場は学校とは思えないほどとても広く、高い天井には大きなシャンデリアが輝いている。
そしてウェイターの人から飲み物を手渡された。
「希一」
ふと名前を呼ばれ振り向くと陽介とその家族がいた。
「陽介」
彼が傍にやって来た所でマイクを持った碧が壇上で挨拶を述べその後校長の言葉があり乾杯の音頭でパーティーは始まった。
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