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第134話

パーティーでは沢山のご馳走が並び、それを好きなように取るバイキング方式。 希一も陽介達と一緒に食べながら楽しく会話をする。 父はと言うと母とここのOBや生徒の保護者達と挨拶したりと仕事の顔となっている。 父のこう言う姿を見ることが無いからとても新鮮だ。 「秀一様って本当格好良くて紳士ですわよね」 キラキラした目で見つめる陽介の妹の茉莉。 彼女は女子高に通っている為陽介とは中々会えないと言う。 だから今の内に兄妹水入らずで沢山話ししたりするのかと思えば先程から彼女は希一にばかり話しかけている。 「俺も父の事はとても尊敬してます。 まぁ俺は父には到底及ばないんですけどね」 「そんなこと…… 希一さんだってとても可愛らしくてお優しくて素敵ですわ。 こんな陽介みたいなのと仲良くしてくださいますもの」 「お前な……」 陽介に対して厳しい茉莉に頭に怒りマークの浮かぶ陽介。 そんな二人に希一はどう反応して良いのかわからず苦笑いをする。 その後舞台上で演奏が始まり美しい音色とオペラの歌声が会場を包む。 それからミュージカルなども行われたあとパーティー参加者が自由にダンスを楽しむ。 「希一さん、私と踊ってくれます?」 茉莉が希一と踊りたいと誘ってきたため勿論と彼女の手を取った。 ダンスも体育の授業でやったためすんなりと踊れている。 「あの、陽介とじゃなくて良かったんですか?」 「わざわざ兄と踊りたいとは思いませんわ」 「そう、ですか……」 兄妹だとそんなもんなんだろうか? すると彼女はこんな事を言ってきた。 「あんな兄ですけど、一応頼りにはなるんですよ? 辛い時いつも私の手を握ってくれた…… 兄は頼られることって好きなんです。 だから、希一さんも遠慮なく兄を頼って下さい。 兄は本当に希一さんのこと好きなんですよ」 「茉莉さん………」 そう話す彼女はとてもキラキラした笑顔をしていた。

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