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第146話

そして秀一が壇上へと上がりマイクを手に挨拶を述べる。 「本日は私の当主就任のパーティーへお集まり頂き誠にありがとうございます」 秀一の挨拶は坦々と進んでいったその時、碧のスマホのバイブレーションが鳴った。 碧は会場の端に移動しスマホを確認しメールを送信すると同時に秀一の挨拶が終わり拍手に包まれる。 すると碧は壇上へと上がったのだ。 その様子に周りがざわついているが構わずマイクを取った。 「碧、何をしているの!?」 母も突然の碧の行動に戸惑いと焦り、そして必死に止めようとしているが、それでも碧は続ける。 「すみません、少しだけどうしてもお話ししておかなければならない事があります。 聞いてください」 碧は一つ大きなため息を着き驚くべき行動と取る。 「希一」 碧が顔を会場の入り口へ向けるとそこには雫とその横に希一の姿があった。 「希一……?」 ここにいない筈の希一が現れ流石の秀一も驚きを隠せなかった。 雫は希一をエスコートしながら壇上の碧の元へ誘導する。 「あの、碧さんこれは………」 「希一、お前にどうしても言いたい事がある」 すると碧は彼の前で跪き手を取りこう言った。 「僕と結婚して欲しい」 「え………?」 「別に今すぐじゃなくてもいい。 20歳になるまで待つつもりだし、番になりたくなければそれでいいし。 ゆっくり考えればいい。 お前が好きだ、愛してる」

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