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第148話
よりによって当主の座と言う悲願を無下にされリアはすぅっと何かが落ちたように感じた。
「そう、もういいです。
貴方はもう私の子ではありません」
「母様……」
突き放された事によってもう後戻りは出来ないのだと改めて実感する。
そんな中今まで黙っていた秀一が口を開いた。
「碧君、君が希一との将来を本気で考えているのは分かった。
それで希一、お前のこたえは?」
「お、俺は……碧さんの足枷になるなら結婚は……」
祝福されない結婚をして碧が孤立してしまうのは凄く嫌だと感じた。
ましてや当主になれる器であるのに、その可能性を奪ってしまうのは心苦しかった。
だが秀一はそんな答えは望んではいない。
「足枷だとかそんなことはどうでもいい。
お前の、本当の気持ちを正直に言いなさい」
「………したい。
結婚したいです。
碧さんが好きですっ!大好きっ!!」
秀一の強い言葉に希一は声を震わせながらそうこたえた。
「そうか、ならば反対する理由はない。
二人の気持ちを尊重しよう。
それとリアさん、貴女が碧君を手放すと言うのなら彼を婿養子として私が支援致します」
「なんですって?」
「碧君、君が良ければだがな。
私にとっては希一の大切な人である君は息子同然だ。
行く所がなければこちらに来なさい」
秀一の息子同然だと言う言葉に心を打たれた。
母に見放された所に優しく手を差し伸べてくれる彼の人柄が伺い知れる。
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