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第152話
それから少しの間だけ碧と二人でゆっくりしていた。
何をするでもなくソファーに座ってただ手を繋いでいた。
その後碧はパーティーに戻り一人になった希一の所に雫がやって来て相手をしてくれた。
「あの、ありがとうございました。
それと色々迷惑をかけてごめんなさい」
「迷惑なんて思ってませんのでお気になさらないで下さい。
それに私はこれでも碧様の従者です。
碧様には貴方が必要だと思ったのでその為に動いていたまでです」
憎まれ口を叩いても碧を主と認める雫は碧の為と希一を連れてきた。
そしてパーティーが終わる頃に碧が再び希一の元へ戻ってきた。
寮に帰ろうかと言うところで秀一に声をかけられる。
「希一、寮に送って行くからこちらの車に来なさい」
「……うん、分かった。
碧さんごめんなさい、一緒には帰れません」
「気にするな。
お前もお父様とゆっくり話したいだろうからな」
秀一は希一と話がしたいと送迎を買って出て希一と一緒に車に乗り込んだ。
「こうやって二人きりでゆっくり話すのは久しぶりだな」
「あ~確かに父さんと二人って言うのは最近は無いなぁ」
寮生活で離れて暮らしているし父も仕事があるから二人きりになることも少ない為少し違和感を覚える。
「今日はごめん……
色々騒がせて……」
「……まさかお前がこんなところに来るとは思わなかったな」
「うぅ、ごめんなさい……」
「気にするな、お前は何も悪くない。
もっと自信を持てと言っているだろう。
お前は俺達の自慢の息子なのだから」
「父さん……ありがと」
自慢の息子……親にそう言われるのは一番嬉しい。
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