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第156話
秀一を見送った希一と碧は仲良く手を繋いで寮に戻った。
すると寮の談話室には陽介が待っていて、希一が呼ぶと安堵した様子で駆け寄ってきた 。
「大丈夫だったか?」
「うん、あのね陽介………」
詳しいことは何も知らないまま雫に連れられて行った為陽介も心配していた。
パーティーでの出来事を雫が陽介に説明してくれてそれに陽介はかなり驚いていた。
「……会長、今度希一を傷付けるようであれば次は本当に許さないですよ」
「分かっている、その時は煮るなり焼くなり好きにしろ。
だが次、は二度とないつもりだ」
「そうっスか……」
まだ信用は出来ない。
でも希一が彼と決めたのならそれを尊重したいからそれ以上は何も言わなかった。
それから一行は碧の部屋に行った。
ゆっくり話したいだろうからと陽介と雫は隣の部屋に移動する。
ここは雫が使っている部屋なのだが綺麗に整頓されていて全然生活感が無い。
「ねぇ陽介君、俺が言うのもなんだけど……
碧様はもう希一様を裏切ることは無いと思うよ。
あの一件でかなり堪えてたし、希一様でなければダメだって気付かれた。
だから大丈夫だと思う」
「………」
普段飄々としていて毒舌で何を考えているのか分からない彼が真面目な表情で言うから少し驚いた。
雫と言う人物をもう少し信用してもいいのかなぁと思ったりしたのだが。
しかしそれも束の間。
彼がいつもの胡散臭い笑顔に変わった。
「と言うわけで、お二人の事は大丈夫。
今度は俺らの番ね」
「………はぁ?」
何を言っているのか分からない様子の陽介に雫はジリジリと詰め寄り陽介の顎を手でくいっと持ち上げると雫は彼に口付けた。
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