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第161話
結局雫が二人に陽介との事を言うことは無かったが事毎に引っ付いてきて触ってきたりとセクハラ紛いの事をしてくる。
いや、セクハラだ。
その度に希一からは仲がいいねと勘違いの言葉を言ってくる。
因みに碧は二人の関係性に気付いているようで、呆れた様子を見せる。
まぁ、結局の所陽介も最終的に流されて最後までしてしまっているのだが………
この関係はセフレなのか恋人なのかは面倒なので深くは突っ込まないようにしている。
そして一旦は別れたものの復縁し婚約者となった希一と碧。
あれからよりお互い仲が良くなったが一つ問題が……
この二人未だに一線を超えていないのだ。
別に価値観は人それぞれだし結婚してからって事もおかしくない。
特に純な希一なら尚更だろうがそれが碧ならどうだ?
キスでさえ物凄く恥ずかしがっている希一にそれ以上を求める事など中々出来ない上に何より希一にセックスの概念が無いと言っても過言ではないほど純粋な為先に進めないもどかしさがある。
「はぁ……」
天使のような外見でも碧も男だ。
希一に触れる度に身体が疼くがそれを我慢している自分を褒めたい。
「どうかしました?」
「え?」
碧の様子を不審に思った希一が顔を覗き込んできた。
「いや、何でもない………」
「そう、ですか?
……もしかして相談出来ない何かあったりしますか?
俺じゃ力になれないですよね。
ごめんなさい……」
「いや、そうじゃなくてだな……」
自分では力になれないと落ち込む姿にどう反応していいのか分からない。
それがまた余計に心配をかけてしまう。
どうしたものか……
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