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第164話

秘部に碧の手が触れビクンと体が強張る。 まだ一度も受け入れたことのないそこに彼のものを受け入れるのかと思うと。 どうしても怖いと思ってしまうから。 その様子に気づいた碧は一旦触るのを止めた。 目をぎゅっと瞑り身体を固くして怖がっている彼にこれ以上はだめだと思った。 「悪い、怖いな。 これ以上はまた今度にしよう」 「え?」 また今度と言われた希一は驚いて目を見開いた。 自分の意志が弱いせいでまた迷惑をかけてしまうのかと胸が苦しくなる。 「お、俺は大丈夫です!! 大丈夫ですから……止め…ないで……」 「希一……」 泣きそうになりながらそう訴える彼にどうしたものかと考える。 続きをしてもしなくても彼を傷つけてしまいそうだ。 それに彼のフェロモンなのか、ぶわっと甘い香りが押し寄せてきて、正直何もしないというのも辛いし理性がそろそろまずい。 彼の項に噛み付いてしまわないよう精神も保たないといけない。 どうしようか考えた末の結論は…… 「分かった、お前が大丈夫と言うなら続けよう。 だが、最後まではしない」 最後まではしない。 その言葉がよく分からない希一は首を傾げた。 その傾げる仕草がまた可愛いと思ったり…… 「大丈夫、一緒に気持ちよくなるだけだ」 そう言って碧は希一と自らの逸物を一緒に握る。

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