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第4話
名門、聖雷 学園高校。
それはαの多くが進む進学校だ。
それだけ難関の高校でβ以下が入るのは相当難しい。
そんな学校に希一は見事に合格した。
高校に進学して初めて入る寮は流石と言うべきか。
一部屋がとても広く風呂やキッチンまで完備されている。
それに寮の建物自体広いからここにたどり着くまでに大分かかってしまった。
希一は部屋に入って荷物の整理をしているとドアがガチャリと開いて男性が入ってきた。
「あれ、もしかして君が同室の?
初めまして俺村瀬陽介
よろしく‼」
へらへらと笑いながら希一に握手を求める。
「初めまして九条希一です。」
彼の手を握り挨拶をする。
「九条ってあの九条……じゃないよな。
あそこはαの家系だし。
ただの同姓か。」
実はこの学校αに限っては一人部屋でそれ以外は二人部屋なのだ。
そして九条の名は相当有名なようであの有名な九条の人間が二人部屋にいるなんて思って無いようだ。
まぁ、自分が九条家の人間なんてしられなくていいと思うけど彼には一応ルームメイトだし自分がΩと言うことは言うべきなのかどうか正直迷う。
なんせ、Ωと知られていい思い出なんてないのだから。
「ところで君さ、Ωなんだて?
俺初めて見た。」
「え?何で知って‼」
「あれ?もしかして知らない?
この部屋割りの紙に書いてあるぜ。」
見落としてた。
まさか書いてあったなんて。
「いや~Ωっつうから身構えてたけど
結構可愛い顔してんだな。
アハハハハ。」
パンパンと希一の背中を叩きながら笑う彼……
どうやら受け入れてもらえたらしい。
というかチャラい……
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