14 / 168
第14話
希一に出会ってから碧は彼の事ばかり考えるようになった。
また会いたい……
弟がいたらこんな感じなのかと思った。
だが会いに行くには名目がいる。
ただ会いたいと言う理由だけで行くにはハードルが高すぎて無理だ。
何とか会う理由をこじつけなければ‼
「……な~にあれ?」
いつもと違って仕事がはかどってない上にぼーっとしていることが多い。
そんな彼を奇妙な目で見る雫と生徒会のメンバー。
「なんか上の空ですよね。
どうしちゃったんでしょう?」
生徒会メンバーも心配しているが今は目の前の仕事をしなければならない。
そしてその仕事の一つに今ある部活動で実態の無いものは切らなければいけない。
という話で取り合えず実態の怪しい部活の視察をしに行かなければならないと碧に助言を求める。
「視察ね……」
これも生徒会の仕事。
ふと、碧は思った。
これはいい口実になると!!
「なら僕も行こう。
そうだな、最初は馬術部にでも向かうか。」
そう言うと即座に立ち上がる。
雫が念のため護衛として同伴しようとするも碧はそれを拒否し生徒会室を出ていった。
こんな面倒な事は部下に任せる碧が自ら進んで行くなんて怪しすぎる。
何かあるなと雫は気づかれないように彼の後を追った。
ともだちにシェアしよう!