24 / 168

第24話

馬を厩舎へ戻した後片づけをしてミーティングを行った後解散する。 「じゃあ帰ろうか九条。」 「はい……」 「ははっ、そんな顔しない。 ほら行くよ。」 そう言って佐久間と夕飯のため食堂へ向かう。 佐久間は希一がΩと知っていても皆と同じように接してくれる。 佐久間曰く、『馬が心を許す相手に悪いやつはいない』とのこと。 「さてと、九条。 流石にここからは覚えたよね? 俺、ちょっと職員室に用あるから。」 「た、多分……」 実は希一かなりの方向音痴なのだ。 普段は陽介と行動しているから不自由はないが部活の時は陽介はいない。 碧に道案内してもらった翌日も迷子になって大変だったため佐久間が一緒に行ってくれているのだ。 だが今回は佐久間は用事で一緒には行けないらしい。 だからここからは一人になる。 佐久間と別れた後食堂へ向かうがこの道が合っているのか不安になる。 すると少し先に見慣れた人物が立っていた。 「陽介‼」 「よう、遅いから迎えに来た。」 「ごめんわざわざ……」 「気にすんなよ。 俺がやりたいだけだからさ。」 陽介はいつも世話を焼いてくれる本当にありがたい存在だ。 αの多い学校で希一をよく思わない人も多いが陽介をはじめ碧や佐久間と言う人たちがいてくれる。 本当にこの学校に来てよかったと思った。
39
いいね
5
萌えた
0
切ない
0
エロい
6
尊い
リアクションとは?
コメント

ともだちにシェアしよう!