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第34話

「ところでお前、匂いが濃くなってる。」 「え?」 佐久間にそう指摘され一瞬何かと思ったがすぐに何のことか気が付いた。 「ああ、そう言えばそろそろでした。 すみません、ありがとうございます。」 「ん、くれぐれも襲われるなよ? まぁ会長があれだけけん制してたら大丈夫とは思うけど。」 その言葉に昼間の出来事を思い出して本当に自分は守られてばかりだと実感した。 「あ、あれ?確かこの辺だったと思うんだけど」 馬術の練習を終えて馬のアレックスを連れて厩舎に戻しに来たのだがアレックスの場所が見当たらない。 そこへ女性の先輩が通りかかった。 「あの先輩、アレックスの部屋見当たらないんですけど。」 「……九条君、アレックスは向こう側よ?」 彼女が指をさしたところはここの反対側だった。 「厩舎ですら迷うってある意味すごいわよね。」 苦笑いする彼女にあまりの恥ずかしさに顔を手で覆った。 そのことを帰り際佐久間に話すと爆笑された。 「笑い事じゃないですよ。 俺やばいです……」 「てかさ、思ったんだけどここに来る前の小、中の通学はどうしてたんだよ?」 「それは車で送迎してもらってたので。」 「ああ~そっか、お前ぼんぼんだったな。 ま、がんばれ‼」 そう言ってまた笑われた。
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