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第40話

寮へと戻り希一の様子を見てみると彼はベッドの中で眠っていた。 ベッドの横に置いていたお粥は少しだけ減っていて多少は食べてくれたのだと安心した。 陽介は希一の眠る脇に座りそっと彼の髪を撫でた。 さらさらとしたその髪の毛が気持ちいい。 すると彼がもぞっと動いて目を開けた。 「よう…すけ……?」 「悪い起こしたな。 具合どうだ?」 「うん、まあまあかな。」 さっきよりはマシだと言うがまだ顔色は悪い。 陽介はまだ寝てていいぞと彼の頭に触れると希一は再び目を閉じて眠ってしまった。 こうしてまじまじと見ていると本当に綺麗な顔をしていると思う。 Ωとは言え父親はあの九条家でも美しく聡明だと言われる男性。 その遺伝子はしっかり受け継いでいる。 そして陽介はどこかへ電話をかけ始める。 「もしもし…… ええ、希一は眠ってますよ。 はい……では失礼します。」 電話を終えて再び希一のほうへ目をやる。 彼の顔を撫でながら陽介はこう呟いた。 「大丈夫お前は俺が守るから。」 そう彼の額に口付けた。

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