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第41話
世の中はゴールデンウィークへと差し掛かろうとしている。
寮生活の生徒は貴重な連休を実家で過ごそうと荷物をまとめている。
「なぁお前帰んねぇの?」
ベッドの上に寝っ転がってスマホをいじっている陽介が希一に問いかける。
「ああ…いや、帰らない。」
「なんで?」
「馬の世話があるから帰れないんだよね。
夏休みのお盆くらいに少しくらいは帰ろうとは思うけど。」
別に馬の世話くらいならほかの部員と日替わりで世話をすれば帰れなくはないが、やっぱり馬が気になるからと今回は帰省をあきらめた。
「陽介は?」
「俺もここにいるわ。
帰ってもうるさい妹がいるし。」
「妹がいるの?」
「ああ、双子の妹。
うち父子家庭だから。
妹が母親代わりみたいなもんでさ、兎に角口うるさいんだよ。
俺はお前と居たいし俺も夏休み、お前が帰る時だけ帰ることにするわ。」
初めて陽介の家族のことを聞いた。
父子家庭ってことはいろいろ大変なんだろうなと思う。
そして妹を口うるさいとは言っても一人っ子の希一にはなんだか羨ましいと思った。
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