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第81話

Ωだと分かったとたん仲良かった皆が離れていった。 親友だと言ってたのに簡単に友情は壊れるものだとショックだった。 でもいつまでも引きずってはいられない。 切り替えなければ心が壊れる。 だから、何でもないように過ごして家では笑っていた。 「希一、学校どう?」 「うん、いつもと変わらない。 楽しいよ」 そう、両親には嘘をついて…… 嘘が下手な自分。 いつバレるのかと不安だった。 だからなるべく勉強するからと部屋に籠る。 相変わらずクラスの皆は嫌がらせをしてくる。 それでも上手くやっていけたから卒業までなんとかなると思ってた。 そう、思ってたのに…… 「九条、これ倉庫に戻しにいかないといけないんだけど手伝って」 「え、あ、うん」 クラスメートが手伝って欲しいと言うから、希一は一緒に片付けを手伝うことになった。 彼と一緒に校舎の裏の倉庫へと荷物を運ぶ。 「ここでいいかな?」 「ああ………」 荷物を置いて倉庫から出ようとしたときだった。 バタンと扉が閉まって倉庫には複数の男子生徒がいた。

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