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第96話

「エロいですよね希一様」 「!!!」 いきなり耳元で囁かれ心臓が跳ねる碧。 振り向くと雫が腹立つ顔で笑っている。 「お前っ……」 本当にこう言うことには生き生きしている。 ここであんまり反応してしまうとこいつは余計に調子に乗りやがるからスルーが正しい対処法なのは分かっているが毎回反応してしまうのだ。 だから今回こそは我慢して落ち着こう。 すると希一がこちらを向いた。 「碧さんのソフトクリームも美味しそうですね」 「あ、ああ………」 不意に話しかけられ少し動揺してしまった。 この屈託のない笑顔を向けられると自分のイヤらしい妄想が恥ずかしくなる。 だがここで雫がまた何か企んでいるように笑みを浮かべる。 「ほらほら碧様、ここは一口どうぞと言うところですよ」 「なっ………」 そんなことを言うからまた意識してしまう。 でも確かにここは悔しいが雫の言う通りだと思う。 コミュニケーションは大事だ。 「き、希一… こっちも食べてみるか?」 恐る恐るそう言ってみると彼はいいんですか?と嬉しそうに答える。 「じゃあ、一口いただきます」 そう言って小さな一口で食べた。

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