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第100話
一行は観覧車の列に並び順番が来たところで希一と碧が乗り込む。
その後から陽介も乗り込もうとするが雫に止められる。
「俺達は次の奴ね」
「はぁ………」
どうやら雫は希一と碧二人きりにさせてあげようと言う事らしい 。
まぁ本当なら碧は希一と二人で来たかったようだから、この時だけでも二人きりにさせてやるのもいいか。
雫が気を利かせる事が出来るのかと陽介意外そうに彼を見つめた。
一方先に乗り込んだ希一と碧。
碧はようやく二人きりになれたと内心喜んだ。
「二人とも一緒に乗らないんですね。
どうしてでしょう?」
3人の思いとは裏腹に全く意図が分かっていない希一に碧は適当に四人一緒だと狭いからだろうと言うとなるほどと納得してしまった。
ゆっくりと登っていくのを窓の外から眺めていると、綺麗だと希一が呟いた。
碧は目をやると、キラキラとした横顔が映り思わず見とれてしまった。
ああ、やっぱり好きだなと再確認する。
そしててっぺんに着いて残りは半分になった。
もう二人きりになれるのは終わってしまう。
そう思ったら想いを伝えるのは今しかないと勇気を振り絞って声をかけた。
「希一、お前に伝えたい事がある」
「はい………?」
ああもう、心臓の音が煩い。
こんなに緊張したことなんて今までにあっただろうか?
でも知って欲しい……
自分の気持ちを………
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