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第103話
「それで希一様になんて告白されたんですか?」
「………」
部屋に戻るや否やすぐさま聞いてくる雫。
まぁ彼が聞いてこないとも思っていなかったが
「別にただ好きだから付き合ってほしいと、返事は今でなくていいと伝えた」
「ふ~ん……
まぁ碧様にしては上出来ですね」
「お前は、僕をなんだと思っているんだ!?」
本当になんでこいつはこんなに主に上から目線なんだと怒りマークが浮かぶ。
本来ならこんなやつクビなのだが、生憎執事として人として信頼できる奴だからこの態度には目を瞑るしかない。
しかし付き合って欲しいと言ったとき物凄く悩んでいる様子だった。
今まで付き合って来た女は付き合えと言えば即答ではいと言っていたから、待つと言う行為はもどかしい。
それにフラれた経験も無いから、これでNOと言われたら相当凹むな。
何もかも希一が初めてで戸惑うことばかりだ。
でもだからこそ居心地の良さを感じることも事実。
経験出来なかったことが希一を通して沢山知ることが出来た。
それが嬉しいんだ。
そう考えると自然と笑みが溢れるのもまた彼の魅力なんだろうなと思う。
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