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第104話
それから希一は随分悩んだ。
本当に自分が碧の隣にいてもいいのか。
告白されて彼への"好き"の意味がまた変わってきた気もする。
でも陽介には自分を卑下するなと言われたけれど、やっぱり相手はα至上主義の九条家の一員。
もし付き合って碧に影響があったらと思ったら中々答えが出ないでいる。
「希一、僕と付き合いたくなければ構わない。
それで今の関係を変えたりはしない」
碧は希一が告白を断って今の友達としての関係が壊れてしまうのを心配しているのかもと思い、友達として接するからと伝えてきた。
でもその心配なのではない。
「違うんです。
貴方はαで九条家の人間ですよ?
俺と付き合って貴方に何か悪影響があったら」
「そんなことか………
そんなものどうだっていい。
別に勘当されたとしても僕はお前がいいんだ。
お前とならどうなったって構わない」
「碧さん……」
彼の目は本気だった。
ここまで本気になって想ってくれている。
そんな彼にだんだんと惹かれてきていた。
彼とだったらもしかしたら……
「僕と付き合ってくれ」
「…………はい」
跪いて希一の手を取りもう一度告白する碧に
希一は涙を流しながら返事をした。
もう断る理由も無かったから。
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