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第105話
はい、とはっきりそう言った。
その言葉に碧は思わず嬉しさのあまり彼を抱きしめていた。
「ありがとう……
お前のことは僕が守るから」
「はい」
希一から離れお互いしばらく見つめ合い碧の方からそっと彼にキスをした。
触れるだけのキス。
純粋すぎる彼はきっとこう言うキスしか知らないと思うから、今はまだこれくらいで我慢だ。
それでも彼の唇はどんな女よりも柔らかく気持ちのいいキスだった。
唇が離れると希一は顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
そんなウブで初々しい反応がまた可愛い。
暫くしても中々目を見てはくれなかった。
キスだけでも相当恥ずかしいようだ。
………しかし発情期になったとき抜いてやったことがあったのだがまぁあれは正気ではなかったのだろうが
その後の反応はここまでなかったぞ?
あれか?発情期の時はあんまり覚えていなかったのか……
どっちにしろこう言うのには慣れてはいないからこっちも気を付けないといけない。
その後雫と陽介にも正式に付き合うと報告した。
二人ともやっとかと呆れぎみだったが何だかんだ祝福はしてくれた。
この幸せがずっと続いて欲しい。
でもそんな簡単なものではないとだと知るのはもう少し先の事だ。
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