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第106話

ようやく二人は付き合う事となった。 全くかなり時間が掛かったものだと陽介は思うも希一が幸せそうだからその様子を見るだけで十分だ。 そして今悩んでいる事がある。 1つは自分の事を話すかどうか。 本当の事を知って彼はどんな反応をするのか怖いがもう希一に嘘はつきたくない。 そしてもう1つは自分の事を話した上でどうするか決めたい。 いや、話さなければ決めれないと言うべきだ。 「希一 お前に話したいことがある」 「うん?」 「俺……お前に嘘ついてる事がある」 「嘘?」 神妙な陽介に希一は不安そうな顔を見せる。 「俺さ、本当はαなんだよ」 そう言ったとき希一は驚いていたが、小声でやっぱりそうだったんだと言って、陽介は逆に驚いてしまった。 「だって陽介ってなんだろな…… カリスマ性?があるなって。 誰とでも仲良くなれるし何でも出来るし、何か碧さんや雫さん、部長や父さんと同じ臭いがするから」 希一の目にはそういう風に映ってたんだ。 でも違うよ。 俺は彼らに肩を並べられるほどの人間じゃない。 知って欲しい本当の俺を。 「俺はαだ。 家族皆そうだ」 「うん」 希一は陽介の言葉を真っ直ぐ目を見て真剣に聞いていた。

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